王鵬、今日は横綱狩り! 2025年夏場所3日目

 期待と楽しみ膨らむ結びの一番、王鵬がやってくれた。

昨日まで、実力者相手に内容(幅を感じさせる)相撲で勝ってきた王鵬。
対して、持ち前のスピードで早期決着果たし2連勝中の豊昇龍。
内容も実力も拮抗してきた両雄の激突は…、
突っ張り合いの両者、横綱が右の廻しを探ろうとしたのか、そこをズバっとはたきこみ!
王鵬、落ち着いて相手をよく見ていた。
明日はなんと大の里戦が組まれている。
番付上、上位との連戦が続くが明日の取組も実に魅惑的な大一番である。

さぁ、安青錦。
こちらも結びぐらいに楽しみに思っていた阿武剋戦。
突っ張りをかいくぐって左下手を取った安青錦。更に右の前まわしに手がかかり、じわじわと追い詰め寄り切った(頭をつけ、重心は低いまま)もう少し駆け引きや流れの交錯があるのかと思ったが、安青錦の堅勝といったところか。

~今日の新十両たち~
・新十両同士の対決、宮乃風-三田は押し倒して三田が3連勝、対する宮乃風はまだ初日が出ていない。
・夢道鵬は生田目の回転に後退するばかり、突き出されて初黒星。

王鵬の連勝は横綱戦につなげられるか 2025年5月場所2日目

 帰路の途中で概ね平穏な日だったことを確認。
気になる力士や取組はどうだったろう、内容も含めて。

初日、殊勲の星を挙げた王鵬(西筆頭)は元大関・霧島と対戦。
きのうのダメ押しはいただけなかった。
さて取組は、終始王鵬のペース。霧島、あてがうだけで何もできないさせてもらえなかった。
昨日の我慢の相撲と今日の突っ張り(積極性)のイメージを混合させて、どこまで明日食い下がれるか。あてがわれた相手は横綱・豊昇龍である。

その豊昇龍は若元春に張り差しをみまい、スパッともろ差し。迷うことなく前へ出て速攻で決着をつけている。隙なく万全の取り口で大波兄弟を連日撃破、2連勝スタート。

昨日の髙安戦で鋭い出足を見せ、その存在感を見せつけた玉鷲。
若隆景を一気に土俵際まで持っていくも、最後の回り込まれたところについていけず、肩透かしで悔しい負け。しかし、昨日・今日の出足は本物と見る。まだまだ底力を秘めたレジェンドは今場所の話題を提供してくれるかもしれない。

さて今日の安青錦。
自ら突っ張って出た立ち合い。美ノ海引いたのか、自分の方に引き込む・迎え入れる形になった。こうなったらチャンスを逃さない安青錦。密着するかのように寄り切った。
明日は阿武剋。熱戦というか、面白そうな一番。
どうなんだろう、意外に高度な技術戦になったりして。

西幕下10枚目まで戻ってきた炎鵬。
西9枚目・濱豊(時津風)を破り、白星スタート。
いい相撲でした、関取復帰を諦めません!

注目3番と新十両お目見えなど 2025夏場所初日

 今場所の新十両は
東13枚目 宮乃風(中村)
東14枚目 三 田(二子山)
西14枚目 夢道鵬(大嶽)
の3名。

関取として記念すべき第1歩、初日の行方は。
番付順に宮乃風から。
現・師匠、嘉風と同じ日体大卒。
中村部屋、現役3人目の関取。
初日対戦相手は生田目(二子山)
生田目の鋭い出足をかわし切れず一方的に敗れた(押し出し)いいところなし。

続いて三田。
アマチュアでの実績が評価され、幕下60枚目格付出でデビュー。
5場所目で新十両に上がってきた。
狼雅と前出の生田目に続く、こちらも二子山3人目の関取。
対戦相手・大奄美(追手風)
70㎏近い体重差があるようだが・・・。
三田が低い姿勢から粘り強い押し相撲を展開。大奄美の右腕をたぐって送り出して初日勝利。
三田の立ち合いは一瞬、猫だましを見せたように見えた。

そして夢道鵬。
ご存知、納谷兄弟の四男。生まれ育ちは知るばかり。
生粋のサラブレッドとして期待を集めていたが、初土俵以来5年ちょっとで十両入り。
(こちらの相手は)ケガによる休場で番付を大きく下げ、幕下から出直しの北の若(八角)
夢道鵬、前に重心を置きながら着実に突っ張りを当てる自身の相撲で白星発進を遂げた。

注目の安青錦は、金峰山の強烈な突き放しを喰らい、相撲展開を打ち砕かれた。
(金峰山側から見れば)会心の勝利、作戦勝ちと言ったところか。

持久戦を制したのは王鵬だった。
大関・琴櫻との一番でもろ差しにされるも力強く応戦。回しを引いてない状態で琴櫻は勝負に出たが、そこに待っていたのは左からの肩透かし。大関の足も揃っていたか、見事に決まった。弟・夢道鵬と共にいろいろと今場所の話題を提供してほしいものである。

綱取りかかる大の里。
先場所不覚を取った若元春戦。
今場所の対戦は隙を見せずに文句なしの完勝。初日好発進劇を見せてくれた。

今場所も当ブログをよろしくお願いいたします。

ウクライナの両雄、5月も気勢を上げられるか

 ウクライナ出身の2大関取、安青錦と獅司。

夏場所の新番付ではそれぞれ
安青錦 東幕頭9枚目
獅 司 西前頭11枚目
と自己最高位を更新。
気持ちを新たに、夏場所へ向けての調整は順調か。

近い将来の幕内土俵、角界を率いる一角になってほしいぐらいの両雄(願いを込めて)
ここまでの対戦成績は1勝1敗。今年に入って1月と3月、2場所連続で対戦している。

1月初場所12日目
番付:
獅 司 西十両4枚目
安青錦 西十両5枚目
背景:
1敗同士で、十両優勝を当時トップで争う2人の直接対決!

終始安青錦ペースで進行していたが、獅司も相手の動きから目を離さずよく見ていた。
安青錦が左の前みつ辺りを探ろうとしたところを?うまく突き落とした。

3月春場所6日目
番付:
獅 司 西前頭13枚目
安青錦 東前頭15枚目
背景:
新入幕の場所を2勝3敗でスタートした安青錦に、再入幕(リスタート)の場所を4勝1敗と対照的な滑り出しを見せていた両力士が中盤6日目に激突!

立ち合い直後に素早く掴んだ右下手を軸に、左上手も取る(安青錦)
投げを打ちながら足も連動させて獅司のバランスを崩し、半身にさせ、最後に押し倒した一連の動きには、かなりのハイセンス・早熟な技能者とでも言わんばかりにその相撲ぶりを感じた。

安青錦には、先場所終盤まで優勝争いに顔・名前が挙がっていた同等(それに近いくらいの)活躍を求めたい。
獅司には、その大柄(恵まれすぎた)体格を活かした更にスケールの大きい相撲を望みたい。

そしてこの両雄の直接対決は5月の東京で見られるのか。

名門の浮沈を賭けて・・・、栃大海

 栃大海=幕下時代までの塚原がようやく新入幕という花を咲かせた。

小学3年から始めた相撲。
アマチュアで十分な経験を積み「中学生横綱」のタイトルを獲得。
多くの名力士、及び有力現役力士を次々に輩出している埼玉栄高校卒業後にプロデビュー。

結局、幕内にたどり着くまで(初土俵から数えて)7年半経過している。
序ノ口・序二段と2場所連続優勝の滑り出しを見せていたのに加え、プロ入り前の背景・ポテンシャルを思えば時間がかかったか。

平成最後の方(2018年・平成30年)11月に幕下に顔を出してから、三段目以下に番付を落とすことなく「塚原、塚原」と四股名はよく耳にしていたが、やはり「幕下」と言う名の難関をクリアするのは容易ではなく、東幕下筆頭で2度の負け越しを経験。

苦労の末に掴んだ新十両の座を射止めたのは、丸一年前の昨年5月。
在位2場所で一度陥落を味わっているが、すぐに返り咲き、3場所連続勝ち越し中。

主武器とされる突き押しを盾にどんな相撲を見せてくれるのか。
勝ち星をいくつ積み重ねられるのか。

この栃大海のWikipediaを見て「花のイチイチ組」と呼ばれる1999年・平成11年度のグループが存在していることを私は初めて知った(横綱・豊昇龍を始め、王鵬、尊富士)を先頭に錚々たる顔ぶれが並んでいた。彼もようやくある意味におけるスタートラインに立ったか。

意外にも、名門・春日野部屋の現在唯一の関取はこの男。
25歳の若さ・伸び代に加えて、老舗の矜持・存在感を発信する役割も担っている。