充実の大の里と横綱の綱渡り 2025夏場所5日目

 綱取りかかる大関に幕内最年長が挑んだ訳だが、全く問題にしなかった。
玉鷲が渾身ののど輪を繰り出すも、大の里は一瞬で敵を捕まえ、寄り切って瞬殺。
危うさひとつなかった。
序盤の5日間に関しては、上々の滑り出しを見せている。
引き続き、油断・慢心のないように。

(連敗で)肩身が狭く、居心地も悪いであろう横綱は、まだ初日の出ていない豪ノ山。
互いの突っ張りで距離ができる展開だったが、豊昇龍が左上手に手がかかり万事休す。
上手出し投げで今日は乗り越えた。
だが違った意味で今後も目が離せない。

安青錦の技巧が光る。
肩透かし王子こと翠富士をあまり動かせることなく、厄介にならないうちに早めに仕留めたい相手だが。
しっかりと突っ張りを当てながら、機を見て左上手を取った。
頭をつけて翠富士の顔を上にしたところで、安青錦が翠の右足を払って内無双成る。
鮮やかな決まりっぷりは芸術的にすら見えた。
しれっと連日、この安治川の21歳の事を記載させてもらっているが、明日以降も本当に楽しみな存在です。

好調の大関と不安な横綱 2025夏場所4日目

 本日の大一番、綱取りかかる大の里に、地力・実力急上昇中の王鵬。
甲乙つけがたい両者の対戦は!

両者、正面から強く当たり合ったが、大の里の圧力は半端ではないのだろう。
王鵬はそれを持て余す感じ・どうにもならない感じになり引いてしまい、大の里が押し出して決戦完了。
「一日一日」「一日一番」
(大きな目標がある中で)欲張らず呪文のように繰り返し、意識に擦りこみ、明日以降の戦いに繰り出す。

豊昇龍って、何でこんなに阿炎に負けるんだろう。
ほとんど相撲スタイル・展開に変哲が感じられない阿炎に、いつものもろ手突きから反動をつけてあっさりと引き落とされ、バッタリと土俵に倒れ込んだ。右腕の大部分に土俵の砂がベッタリついたその姿に「横綱」を感じられなかった。しかも、阿炎戦4連敗。
初日・2日目の内容がよかっただけに、波が激しすぎますねぇ。
今に始まったことではありませんが。
2場所連続休場なんてことにならないように、最後まで務めを果たしてほしいです。

今日の安青錦も相撲巧者ぶりを見せつけた。
明生の左からのいなしで、土俵際まで追い詰められたが決めにかかるところを、右からの上手を出し投げで逆転勝利!
一瞬、あ、今日は負けだと思ったが、簡単に勝負が決しないあたりが並大抵ではない。

王鵬、今日は横綱狩り! 2025年夏場所3日目

 期待と楽しみ膨らむ結びの一番、王鵬がやってくれた。

昨日まで、実力者相手に内容(幅を感じさせる)相撲で勝ってきた王鵬。
対して、持ち前のスピードで早期決着果たし2連勝中の豊昇龍。
内容も実力も拮抗してきた両雄の激突は…、
突っ張り合いの両者、横綱が右の廻しを探ろうとしたのか、そこをズバっとはたきこみ!
王鵬、落ち着いて相手をよく見ていた。
明日はなんと大の里戦が組まれている。
番付上、上位との連戦が続くが明日の取組も実に魅惑的な大一番である。

さぁ、安青錦。
こちらも結びぐらいに楽しみに思っていた阿武剋戦。
突っ張りをかいくぐって左下手を取った安青錦。更に右の前まわしに手がかかり、じわじわと追い詰め寄り切った(頭をつけ、重心は低いまま)もう少し駆け引きや流れの交錯があるのかと思ったが、安青錦の堅勝といったところか。

~今日の新十両たち~
・新十両同士の対決、宮乃風-三田は押し倒して三田が3連勝、対する宮乃風はまだ初日が出ていない。
・夢道鵬は生田目の回転に後退するばかり、突き出されて初黒星。

王鵬の連勝は横綱戦につなげられるか 2025年5月場所2日目

 帰路の途中で概ね平穏な日だったことを確認。
気になる力士や取組はどうだったろう、内容も含めて。

初日、殊勲の星を挙げた王鵬(西筆頭)は元大関・霧島と対戦。
きのうのダメ押しはいただけなかった。
さて取組は、終始王鵬のペース。霧島、あてがうだけで何もできないさせてもらえなかった。
昨日の我慢の相撲と今日の突っ張り(積極性)のイメージを混合させて、どこまで明日食い下がれるか。あてがわれた相手は横綱・豊昇龍である。

その豊昇龍は若元春に張り差しをみまい、スパッともろ差し。迷うことなく前へ出て速攻で決着をつけている。隙なく万全の取り口で大波兄弟を連日撃破、2連勝スタート。

昨日の髙安戦で鋭い出足を見せ、その存在感を見せつけた玉鷲。
若隆景を一気に土俵際まで持っていくも、最後の回り込まれたところについていけず、肩透かしで悔しい負け。しかし、昨日・今日の出足は本物と見る。まだまだ底力を秘めたレジェンドは今場所の話題を提供してくれるかもしれない。

さて今日の安青錦。
自ら突っ張って出た立ち合い。美ノ海引いたのか、自分の方に引き込む・迎え入れる形になった。こうなったらチャンスを逃さない安青錦。密着するかのように寄り切った。
明日は阿武剋。熱戦というか、面白そうな一番。
どうなんだろう、意外に高度な技術戦になったりして。

西幕下10枚目まで戻ってきた炎鵬。
西9枚目・濱豊(時津風)を破り、白星スタート。
いい相撲でした、関取復帰を諦めません!

注目3番と新十両お目見えなど 2025夏場所初日

 今場所の新十両は
東13枚目 宮乃風(中村)
東14枚目 三 田(二子山)
西14枚目 夢道鵬(大嶽)
の3名。

関取として記念すべき第1歩、初日の行方は。
番付順に宮乃風から。
現・師匠、嘉風と同じ日体大卒。
中村部屋、現役3人目の関取。
初日対戦相手は生田目(二子山)
生田目の鋭い出足をかわし切れず一方的に敗れた(押し出し)いいところなし。

続いて三田。
アマチュアでの実績が評価され、幕下60枚目格付出でデビュー。
5場所目で新十両に上がってきた。
狼雅と前出の生田目に続く、こちらも二子山3人目の関取。
対戦相手・大奄美(追手風)
70㎏近い体重差があるようだが・・・。
三田が低い姿勢から粘り強い押し相撲を展開。大奄美の右腕をたぐって送り出して初日勝利。
三田の立ち合いは一瞬、猫だましを見せたように見えた。

そして夢道鵬。
ご存知、納谷兄弟の四男。生まれ育ちは知るばかり。
生粋のサラブレッドとして期待を集めていたが、初土俵以来5年ちょっとで十両入り。
(こちらの相手は)ケガによる休場で番付を大きく下げ、幕下から出直しの北の若(八角)
夢道鵬、前に重心を置きながら着実に突っ張りを当てる自身の相撲で白星発進を遂げた。

注目の安青錦は、金峰山の強烈な突き放しを喰らい、相撲展開を打ち砕かれた。
(金峰山側から見れば)会心の勝利、作戦勝ちと言ったところか。

持久戦を制したのは王鵬だった。
大関・琴櫻との一番でもろ差しにされるも力強く応戦。回しを引いてない状態で琴櫻は勝負に出たが、そこに待っていたのは左からの肩透かし。大関の足も揃っていたか、見事に決まった。弟・夢道鵬と共にいろいろと今場所の話題を提供してほしいものである。

綱取りかかる大の里。
先場所不覚を取った若元春戦。
今場所の対戦は隙を見せずに文句なしの完勝。初日好発進劇を見せてくれた。

今場所も当ブログをよろしくお願いいたします。