照ノ富士と阿武剋が着実に白星を積み重ねてます

 序盤戦、わずか4日にすぎないが照ノ富士が肩書き通りの強さを見せている。
元大関・御嶽海に対して全く危なげなく寄り切った。
今場所ここまでの照ノ富士を振り返ると、
初日平戸海に多少手間どったが最後はきっちり白星。
明生に息もつかせぬ圧勝。
若元春にも左差しで相手の右を不能にさせ、相撲を取らさなかった。

膝や腰の状態はいいのか、うまくつき合うことができているのか。
場所前の展開予想ではどうしてもこの辺りが懸念され、横綱という地位に対しての前向きな予想がやや少なく感じる。着実に白星を積み重ねて、三役上位戦を迎えた時のメンタルのプラス材料にしてほしいものだ。
4日目を取り終えた時点で早くも単独トップ(唯一の幕内全勝者である)
今日の対戦成績は豪ノ山。

プロ4場所目の先場所、新十両でいきなり13勝を上げた(付出ルールの変更で)最後の幕下15枚目格付出の阿武剋。
4日目は東3枚目・北の若。立ち合い互いに突っ張り合いけん制するも、北の若が先に左上手。すぐに阿武剋が巻き替え前みつとして寄り切った。
初日から簡単に振り返る。
大奄美に早くから左上手を引き、これを軸に頭をつけきっちりと寄り切り。
2日目には幕内の土俵に登場。輝に押し込まれ土俵際もつれたが軍配は阿武剋の突き落としに上がる。物言いがついたが軍配通り。相撲内容は全くよくなかったが運も味方につけて勝利した。
3日目の時疾風戦は阿武剋主導で突き放したあと、左四つに多少抵抗にあったがしっかりと寄り切り。

今場所もここまで健在ぶりを発揮している。
尊富士・大の里に続く存在はこの男か。とは、気が早すぎか。

幕内・十両では、このモンゴル出身の2人が安定した取り口を見せている。
因みに十両にはもう一人の4連勝・朝紅龍(高砂)も頑張っています!

幕下のレジェンド力士達

 名古屋場所は4日目、幕下以下は2番取り終えたところ。
(私が選んだ・応援している)関取経験者・ベテラン力士に焦点を当てて、ここまでの星取・成績を紹介する。

西2枚目

北磻磨(山響) 2敗

今年3月場所、37歳6ヶ月で再十両を決めるも1場所で陥落。
飽くなき挑戦を続けるベテラン。今場所千秋楽に当たる28日に38歳を迎える。

東19枚目

旭大星(大島) 1勝1敗

アキレス腱断裂や膝のケガにより、一時は序ノ口5枚目まで番付を最大で落とした(おととし11月)再起後、連続勝ち越しを続けここまで這い上がってきた。

朝志雄(高砂) 2勝

こちらも膝の大怪我で苦しんだ。序二段60枚目からジワジワと上昇してきた。両膝を大きく分厚く包み込むサポーターが苦労の証だ。

天風(押尾川) 2敗 

右膝の関節が外れるという大怪我を経験。2018年9月からの3場所連続休場はその影響だそうだ。復帰後は幕下と三段目の往復が続いている。

栃丸(春日野) 2勝

昨年9月から3場所連続休場。両膝の手術がその理由。再起した今年3月で序二段優勝。先場所も三段目45枚目で6勝。幕下に番付を戻し、今場所も活躍中。今日の取組をたまたま見ていたが回転の速い突っ張りは健在だ。

皆さんの中での贔屓力士・レジェンドの今場所はいかがでしょうか。
今後も応援し、注目し続けます!

宇良、今場所も魅せます

 宇良、連勝スタート。
人気者がたった2番ではあるが独特な存在感を見せつけて好発進である。

初日・阿武咲戦
立ち合いから阿武咲に攻め立てられ押し込まれたが、左に左に旋回し足腰の良さを見せつけ最後叩き込み。最後はその余勢で小走りして、今場所の宇良劇場開幕。

2日目・豪ノ山戦
この日も豪ノ山のもろ手突きメインの押しに後退。勝負に出る豪ノ山に対し、上体を落とし(膝を曲げ)スポンと両差し(もろ差し)に迷うことなく電車道で決めた(寄り切り)

勝負がついた直後の剝がれたテーピングをパッと掴みポイと捨てたのは、豪ノ山が装着していたものか、それ以外か(笑)

荒い息づかい・深いお辞儀で本日の宇良劇場が完結。
昨年5月場所から数えて8場所連続で幕内上位(5枚目以内)に在位。

懸命さと無心さが伝わってくるその相撲っぷり、スタイルに今場所も大いに土俵を盛り上げてほしい。応援したい、期待したい。

今場所も展開次第では、居反り、たすき反り・・・、何が見られるかな。

炎鵬、魂の場所・第一戦

 炎鵬が土俵に帰ってきた。
7場所連続休場・420日ぶりの土俵。

脊髄損傷、首の大けがで入院して最初の2週間は寝たきり状態で、日常生活を取り戻すところからリハビリを始めた。
医師からは「相撲はあきらめてください」とまで引退を勧められるも現役続行を貫く。
番付を大きく落とし、西序ノ口13枚目からの再スタート。

迎えた再起第一戦は、西序ノ口14枚目の清水海(境川)
先場所5月に初土俵。日大相撲部出身のアマチュアエリートでいきなり境川のホープ(米びつ)があてがわれた。

「もう覚悟はできている」
とまで言い切り迎えた本場所一番相撲です。

もう土俵に上がって来られただけで、戻れただけでよかった。
出来れば勝ってほしかったけど、再びその勇姿を見せてくれただけで満足です。

アマチュアエリートも炎鵬の動きをよく見て、冷静に対処してましたね。

このあとの6番も非常に楽しみです。
しかし、医師の言うことに従順に、体のことを常に第一に考えてください。

感動的ないいもの(相撲)を見せてもらいました。
応援してます。

どこまでも応援し続けます!

報道写真集 炎鵬 ―燃える小兵―

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名古屋に賭ける・大青山(荒汐)

 荒汐部屋、現役3人目の関取の誕生なるか。

大青山(だいせいざん)が東幕下2枚目として大勝負の場所に挑む。

力士になってたったの2年半。
中国内モンゴル自治区フフホト市出身の24歳。
中学2年生の時に初来日し、白鵬杯に中国代表として出場したことが相撲転向へのきっかけ。同郷出身蒼国来の紹介で静岡・沼津市の飛龍高校(熱海富士・翠富士の母校)に相撲留学し、高校卒業後は荒汐部屋の研修生になった。
※大青山の父と蒼国来はレスリングの先輩後輩という間柄だそうである。

おととし9月、場所前の稽古で右手首を骨折して2場所連続全休のブランクで番付を大きく下げたが、復帰後負け越し知らずで一気にここまで駆け上がってきた。
研修時に日本語学校やスポーツ専門学校に通ってしっかりと教養を身に着けてるというのだから感心である。

さて相撲の方は。
得意技として、押し・右四つ・寄りとあった。
動画で見る限りでは、立ち合いは突っ張りで仕掛け、右四つに組んでいくという流れが持ち味・彼のスタイルなのでしょうか。

ここまでの通算成績・62勝22敗14休というのだから恐れ入る。
この62勝22敗の内訳は
6勝1敗 7回
4勝3敗 5回
という驚異的なもの。

191cm・156kgという恵まれた体格・スケールの大きさに前途を期待したくなる。

一世一代の大勝負がかかった今場所。
関取(栄光)行きの切符をその手で掴み取れ!