春場所・優勝対決以外で…、千秋楽

 霧馬山の優勝で幕を閉じた大相撲春場所。

本場所が終わると、お決まりのように相撲ロスに数日間陥る。

今日は優勝に関わった2力士以外の結果をダイジェストでお伝えする。

まずは小結対決の若元春‐琴ノ若。
立ち合い右四つ、すぐ巻き替えにいった若元春。そこを出る琴ノ若。寄り倒し(琴ノ若)とうっちゃり(若元春)は、若元春のうっちゃりに軍配。物言いがついたが、軍配通り若元春。

若元春、土俵下に転落した際に首をしたたか打ちつけたようで、痛がる素振りを見せてたが大丈夫か。最終成績は、若元春11勝4敗、琴ノ若9勝6敗。

初日から怒涛の10連勝、春場所を最後まで大いに盛り上げた一人、翠富士。
対戦相手は元大関、本来の調子に少しずつ戻りつつあるか、正代(時津風)
翠富士がもろ差し、対しかかえ込み、きめに出る正代。その体勢から思い切り振り回し、きめ出しで正代。

https://www.youtube.com/watch?v=78kxF7erG08

決まり手としては今場所初だが、同様の流れになったのは、数回見かけた気がする。わきが甘いと取るか豪快さを取り戻したと取るか、私は後者と受け止める、自信を持て、正代!両者ともに10勝5敗で春場所を終えた。

春場所新入幕トリオの一人、カザフスタン初の幕内力士金峰山(木瀬)は、隆の勝との千秋楽。突き放しにかかる金峰山。隆の勝は右腕をたぐって突きを封じるが、金峰山の咄嗟のすくい投げが決まった。

「右四つでも左四つでも。つっぱりでも」と自らの相撲の型を以前こう表現したそうだが(Wikipediaより)新入幕で11勝を上げ敢闘賞獲得。またまた魅惑的な力士が、夏場所を賑わせる。

霧馬山、逆転で初優勝!本割りと決定戦を検証。

 幕内優勝の行方は、2敗大栄翔・3敗霧馬山が引っ張って千秋楽を迎え、その両雄の優勝を賭けた一番が結びに組まれた。

のど輪から回転のいい突っ張りを確実に当てていく大栄翔。土俵際、重心がかかり過ぎたというか足が伸び気味になった大栄翔を霧馬山は右からいなし、突き落とし、霧馬山!
優勝決定戦にもつれ込んだ。

~優勝決定戦~

大栄翔、当たってのど輪、一気に寄った。
土俵際の霧馬山の足が出たか、大栄翔の手が先かの協議で軍配通り霧馬山の勝ち。

霧馬山、初優勝成る!!

その2番の映像がこちら。

入門から苦節8年。モンゴル東部の出身で、遊牧民の家に育った少年は異国の地・日本で栄冠を掴み取った。
陸奥親方(元大関・霧島)、鶴竜親方の厳しい指導と日々の稽古の積み重ねが花開く。

来場所は大関獲りに挑む。
「一日一番、しっかり頑張ります」短い言葉に決意の強さが感じ取れた。

逆転優勝をさらわれた大栄翔、本割り、決定戦ともに相撲内容は決して悪くなかった。
本割り・決定戦ともに「追う足」があと少し足りなかったか。体がのびてるように見えた。

東小結で12勝の技能賞獲得。持ち前の突き押しに更なる磨きをかけ、自信を持って、夏場所に挑んでほしい。大関とりにつながる星を残しているのだから。

大栄翔、直接対決を制し、新入幕が阿炎を押し出す!・14日目

 

まずは休場のお知らせから。
若隆景は昨日の一番で「右前十字靱帯損傷、右外側半月板損傷などで3カ月程度の療養を要する」との診断書を提出して休場した。
それにしても、最初の相撲(本割りの一番)で痛めたらしいので、痛みのある状態で取り直しの相撲を制した精神力、耐え抜いた根性は超人的だ。
3ヶ月、かなりの重症である。治さないと前には進めないので治療に専念してほしい。

これにより、霧馬山が11勝3敗とした。棚からぼた餅的勝利だが、運も味方につけ明日の大勝負に挑む(大栄翔戦)

昨日で逆転し、大栄翔単独トップとなった春場所の優勝争い、その大栄翔と翠富士が激突する大一番があった。
立ち合いからもろ手突き、のど輪攻め立てる大栄翔が突き倒しで勝ち、2敗を守る。
翠富士はいいところなく、4連敗で10勝4敗とした。

なす術がなかった翠富士、優勝の可能性が消滅した。
千秋楽の大栄翔は、霧馬山との大一番。今から胸が張り裂けそうと言っても過言ではない。

豊昇龍は、初日の舞の海氏の解説で今場所への期待を語られていた若隆景との取組。
少し右に変化して右上手の豊昇龍。その右から豪快な上手投げ。若元春、ゴロンと一回転。
両者ともに4敗となり、明日の豊昇龍は髙安、敗れた若元春は小結・琴ノ若との千秋楽。

新入幕、ここまで9勝4敗と躍進目覚ましい東14枚目金峰山(木瀬)。
今日は東2枚目の阿炎(錣山)
立ち合い阿炎のもろ手、右にいなし金峰山が阿炎を弾きとばすように押し出し。
力強い!近い将来幕内上位を席巻するのではないか。
新入幕は2ケタ勝利まで持ってきた。千秋楽は隆の勝との一番で今場所を締め括る。

~これより十両~

1敗でトップを走る逸ノ城。対戦相手は炎鵬。逸ノ城をかく乱できるか。
219キロVS102キロの体重差対決をご覧あれ。
立ち合い左に軽く変化の炎鵬、グルグル動き距離を置く。静観していた逸ノ城が左上手を引いた。炎鵬は右下手を取りにいこうとした逸ノ城の右脇にはさまれるような形に。
強引に出る逸ノ城、耐えつつ勝機をうかがう炎鵬。
最後は、逸ノ城の上手投げに切って捨てられるような形となり、力尽きた炎鵬。
倍以上ある体重のある逸ノ城と引きつけあいになってしまったら、さすがに難しかった。

明日の逸ノ城、十両優勝をかけて對馬洋との対戦が組まれている。

1差で追う朝乃山は島津海戦。
激しい立ち合いから朝乃山が決めにかかるが、島津海もろ差して寄り返す。巻き替えの応酬の中、左から豪快な上手投げが決まる。島津海も精一杯対抗・応戦したが、取組の大局は朝乃山にあった。朝乃山の千秋楽、なんと落合戦が組まれた。

~優勝争い・まとめ~

幕内 2敗 大栄翔
   3敗 霧馬山
*大栄翔、勝てば2度目の優勝。

十両 1敗 逸ノ城
   2敗 朝乃山
*逸ノ城、勝てば十両優勝

幕内・十両共にトップに立つ両力士がすんなり勝てば優勝だが、負けてあとを追う霧馬山(幕内)・朝乃山(十両)が勝つと決定戦に持ち込まれる。

令和五年三月場所は最後まで荒れる春場所だ。


翠富士3連敗、正代勝ち越し決めて感極まる・13日目

 幕内優勝争いは、昨日現在トップが2敗(2人)となっている。
今日もそこから焦点を当てる。

幕内優勝経験者・大栄翔の13日目は、9日目から4連敗の明生。
大栄翔は明生の動きをよーく見ながら、確実に突っ張りを当てていく。低い姿勢から突き出し、大栄翔。はやることなく落ち着いて11勝目。明日は翠富士と大一番。

その翠富士。連敗で迎えた今日は豊昇龍との一番。
引いて足をかけ、きめて出る豊昇龍。左上手取る翠富士。寄りながら動きを封じつぶすような下手投げ、豊昇龍の勝ち。翠富士も足が伸びてしまい、下手投げを食う形となった。3敗。


明日の翠富士、直接対決で大栄翔。勝った豊昇龍は若元春。

~終盤戦(11日目以降の大栄翔と翠富士)~

大栄翔は日増しに気合・優勝するんだという気持ちが高鳴る中にも、そのためには目の前の相撲を確実に勝つんだという気持ち(優先順位)みたいなものを自分に言い聞かせながら毎日取ってるように見える、思う。
一方の翠富士は、同じように目の前にきた優勝のチャンスを何がなんでも掴み取るんだという気持ちは出てるのだが、やはりプレッシャーがあるのか、若元春戦のやや強引な引きなどはそういう思いが空回りしているようにも見えた。

こうして考えると、やはり一回・一枚の経験の差(大栄翔は優勝経験者)が2人を分けてるのかなとも思える。しかし、最後に優勝するのは栄光を掴み取るのは、まだまだわからない。

勝ち越しをかけて元大関・正代は、今場所大不振と言ってもいい竜電。
左差し正代、巻き替えてもろ差しに、腰を落としながら寄り切り。正代勝って勝ち越し!

勝ち名乗りを受ける時、花道を引き上げる時、何か込みあげるものがあったのか、目を閉じて感情を抑えてるようにも見えた。勝手なファン心理としては、あと2番勝って何とか2ケタに乗せてほしい。明日の正代、大翔鵬。

~今日の十両・逸ノ城は幕内で~

武将山戦。
立ち合いかち上げ気味の逸ノ城、探り合いの中から左の上手投げ決まり、1敗守り、12勝1敗。明日は炎鵬。

朝乃山は、東十両7枚目の天空海との対決。

右四つの朝乃山、巻き替え応酬に続いて、寄って出るも天空海は朝乃山の右腕をたぐったが、状況変わらず朝乃山そのまま押し倒し。2敗を守った。明日は島津海。

3連敗で8勝4敗となった注目の落合。13日目の今日は對馬洋戦。
左四つがっぷりの引きつけあい、仕掛けたのは對馬洋、寄って出るが、力勝負で落合の上手投げで勝負あった。落合、連敗脱出。9勝4敗として14日目は荒篤山。

13日目を終えて、

幕内 2敗 大栄翔
   3敗 霧馬山・若元春・翠富士

十両 1敗 逸ノ城
   2敗 朝乃山

となった。大栄翔が単独トップに躍り出た。
しかし、明日は翠富士との直接対決が控えている。霧馬山と若元春も難敵との一番が組まれた。明日の優勝争いの行方も一瞬たりとも目が離せない。

翠富士痛恨の2連敗,、落合3連敗・ 12日目

 幕内に全勝がいなくなって迎える12日目。
数字上では、1差で翠富士が(優勝争いを)上回っているがどうなることやら。
十両2強の結果は?今日のダイジェスト。

1敗で単独トップの翠富士。今日は関脇連続7場所目、前半戦のエンジンのかかりがよくない関脇・若隆景。
立ち合いスパっともろ差しになる若隆景。激しい動きの攻防、翠富士スピードで撹乱するも、若隆景の上手出し投げが決まり、翠富士2敗に後退。

翠富士、明日は豊昇龍。若隆景は琴ノ若。いずれも面白い取組。

2敗で追う大栄翔は北勝富士との一番。
強い突き押し、ぶれない突き押しで2敗を堅持。
目の前の一番に対する気迫・目指すべき目標が取組の中からはっきりと伝わってくるかのようだった。明日は明生。

霧馬山‐豊昇龍の東西関脇対決。
立ち合い左張り差し豊昇龍、霧馬山、頭をつけて左前まわし。豊昇龍が投げを打って出たところを霧馬山寄る。豊昇龍こらえる。霧馬山出し投げのあと、寄って出て、最後は上手投げで決めた。眉間にシワを寄せ悔しがる豊昇龍。
霧馬山、9勝3敗として明日は遠藤。

~今日の朝乃山は幕内~

王鵬戦。右四つから巻き替えてもろ差し王鵬。すぐに寄り切って王鵬が朝乃山を下した。

朝乃山は2敗に後退。明日は十両の土俵に戻って天空海戦。

~これより十両~

朝乃山と共に十両優勝戦線を引っ張る一人、逸ノ城の12日目は白鷹山。
左張り差しから左上手、寄って寄り切り逸ノ城も危なげなく1敗を守った。
13日目は幕内の土俵で武将山と。

話題の怪物・落合は、武隈部屋の星・豪ノ山と3敗対決。
落合、右の張り差しか。お互い突き押しでけん制する。豪ノ山、落合が出てくるタイミングを見極めたかのような突き落とし。落合、ここにきて3連敗。

落合は決して内容は悪くないが、あと一歩・もう一歩のところで十両以上(関取)の壁を肌で感じる3連敗となっているか。
明日の落合は對馬洋、豪ノ山は東白龍戦との一番が控えている。

12日目終えて、

幕内 2敗 大栄翔・翠富士
   3敗 霧馬山・若元春・琴ノ若

十両 1敗 逸ノ城
   2敗 朝乃山 と変わった。

幕内・十両共に、優勝争いへの星の変動があった。
あと3日、どんな運命が待ち受けてるのか。