宝富士の存在感

宝富士 大輔

1987年(昭和62年)2月18日生まれ (37歳)

秋場所成績:西前頭15枚目 10勝5敗

年齢に番付を比例すると自然な事、成り行きかもしれないが、ここ数年ではパッとした活躍が見られてなかった印象だが、9月の秋場所では久しぶりに気を吐くような成績を出し、存在感を見せつけてくれた。

秋場所の引退力士を思い起こせば(宝富士と同じ)「花のロクイチ組」と称される2名の力士が引退してしまった。妙義龍と碧山(共に最高位・関脇)時代の波・世代交代を嫌でも実感させられる。

(状況・展開にもよるが)左四つに持ち込めば、まだまだ捨てたものではないのではないか。かなりの力を発揮する(秋場所で言えば、錦木戦や狼雅戦など)

(勝っても負けても)感情を表に出すことなく、淡々としている(言わば)職人気質を持つ。
(いい意味で)どこかのらりくらりとしていて、飄々としているところに溜まらない魅力を感じる。

尊敬する人は師匠・元横綱旭富士と言い切る。
奇しくも同郷・青森県出身。タイプ的に何かの重なりを感じなくもない。

年齢・世代的に玉鷲・佐田の海・髙安・錦木らと「若手に立ちはだかる壁・教材」的位置付けか。

九州場所(次場所)では幕内10枚目辺りに番付される見通しか。
この幕内真ん中からやや下あたりの地位で独自の存在感を発信し続ける。

照ノ富士ー宇良、大の里、正代など 2024名古屋場所7日目

 全勝の横綱・照ノ富士、今日の挑戦者は宇良。
2日連続でうるさい厄介な相手になりましたね。
自分の持ち味・長所を対照ノ富士にどう生かすかを考え、行動に移し動き続けた宇良。
最後、横綱に下手を取られて取組が大方完結するまで、何度も波乱を予感しましたが。

敗戦を潔く認め、肩で大きく息をする宇良。
横綱どうこうより、敗者(宇良)の清々しさが印象に焼き付く一番だった。

大関獲り、2場所連続〇〇を思えばもう落としたくない・負けられない大の里。
今日は2大関(豊昇龍・貴景勝)破るも、その後3連敗の熱海富士。
立ち合いとほぼ同時に取った左下手が最後まで有効に生きた。
熱海富士も頭をつけ両まわしを引くも、大の里、取り乱すことなく確実に圧力を与え4勝目(白星先行)を呼び込んだ。取り戻してきたか自身の相撲勘を。

元大関・正代が前頭10枚目から存在感と好調を発信している。
ベテラン・佐田の海をものともせずに圧勝で(5連勝)
何ていうか、あまり細かいことを言わず、伸び伸びやらせると力を発揮するんですかね。
ここのところ内容も伴ってますね、竜電戦からの4連勝は。

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炎鵬、魂の場所・第一戦

 炎鵬が土俵に帰ってきた。
7場所連続休場・420日ぶりの土俵。

脊髄損傷、首の大けがで入院して最初の2週間は寝たきり状態で、日常生活を取り戻すところからリハビリを始めた。
医師からは「相撲はあきらめてください」とまで引退を勧められるも現役続行を貫く。
番付を大きく落とし、西序ノ口13枚目からの再スタート。

迎えた再起第一戦は、西序ノ口14枚目の清水海(境川)
先場所5月に初土俵。日大相撲部出身のアマチュアエリートでいきなり境川のホープ(米びつ)があてがわれた。

「もう覚悟はできている」
とまで言い切り迎えた本場所一番相撲です。

もう土俵に上がって来られただけで、戻れただけでよかった。
出来れば勝ってほしかったけど、再びその勇姿を見せてくれただけで満足です。

アマチュアエリートも炎鵬の動きをよく見て、冷静に対処してましたね。

このあとの6番も非常に楽しみです。
しかし、医師の言うことに従順に、体のことを常に第一に考えてください。

感動的ないいもの(相撲)を見せてもらいました。
応援してます。

どこまでも応援し続けます!

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熱海富士と正代に感謝申し上げます 

 貴景勝の優勝、熱海富士の大健闘から一夜明けまだ興奮が冷めやらない。世間・ネット上では決定戦での決着(というか立ち合い)に対して、やはり非難の声が多いようだ。
今日はどういう内容で投稿しようか考えたが、私の推し力士・熱海富士と正代の今場所の相撲を何番か振り返ろうと思う。

今場所の熱海富士に「パワー」「破壊力」「圧力」などの表現する言葉が並び、よく目についた。
しかし11勝を振り返ってみると、土俵際の粘り勝ち・劣勢からの逆転で勝利を積み重ねたのも印象に残っている。

~14日目・阿炎戦~

優勝争いも佳境に入っていた14日目、阿炎の立ち合い大きな変化で、普通ならこれで終わる・足が出てしまってもおかしくないぐらいだが、ここで持ちこたえ逆襲に転じ、力強く寄り切った相撲。稽古相手に恵まれた伊勢ヶ濱部屋で日頃からかなりの番数をこなし、鍛錬を積んでる証だろう。見事に阿炎を打倒してみせた。

~6日目・御嶽海戦~

取り直しになったこの一番。本割りにしても、土俵際で決着がついた似たような相撲だった。相撲内容は決して褒められたものではないが、ここで残れたのも稽古の賜物ではないかと思い取り上げた。

~(3日目)妙義龍戦・(4日目)千代翔馬戦~

相撲巧者・妙義龍戦でも、右四つから出し投げで崩して寄って出てきたところに小手投げでズバリと決め、翌日の千代翔馬戦でも土俵際ですくい投げを決めてみせた。劣勢を挽回できるメンタルと強靭な肉体・スタミナも徐々につき始めているのであろう。

ー今場所の正代

今場所3関脇に3連敗スタートの正代、厳しいかな・難しいかなと思っていた。
そこから豊昇龍と貴景勝の両大関を撃破したのは痛快だった。「ようやく目が覚め始めたかな」と。

~4日目・豊昇龍戦~

鋭い踏み込みから一気に押して出る豊昇龍。左が入った正代。思い切りよく振り回すようにすくい投げを決めた。先輩大関は新大関へ相撲を通してメッセージを送ったともいうべきか。

https://www.youtube.com/watch?v=-Mihzmpbg7I

~7日目・貴景勝戦~

貴景勝がいなしたあと、強烈な張り手を右に左に食らわせるも正代は怯まなかった。逆にそこにつけこみ押し出した。終わってみればこの張り手で正代の闘志に火がついた形になった。

~14日目・朝乃山戦~

14日目のこの相撲は会心の相撲だった。立ち合いからもろ差しとなり、一気に寄り切って朝乃山を寄せ付けなかった。全くの正代ペースで強さと逞しさを感じ「やればできるじゃん・いけるじゃん」と思えた。

ー二人への所感

正代
左足首や右足親指の過去のケガの具合はどうなのか、全てが完調というわけではないだろうが、私はまだまだ十分に三役上位で2ケタ勝てるだけの力があると見ている。
31歳、全然老け込む年ではない。

熱海富士
これはサイドストーリーになるのだが、熱海富士は母子家庭で苦労して育ったと聞く。
小学生の頃には仕事の母に代わりに夕食を作り、高校時代は家計を助けるため、皿洗いのアルバイトで通学交通費などを自ら稼いだそうだ。しかし、熱海富士からはそういったつらい過去から卑屈さや自虐的な面が全くなく、どこまでも温厚で礼儀正しく、穏やかで和やかな好青年をこれからも応援し続けようと強く思った。

秋場所を盛り上げてくれてありがとう、両雄へ。

来場所も頑張ってくれ!↓↓↓

ガンバレ、熱海富士!!

 去年の九州(11月)場所以来、5場所ぶりの幕内。
ここまで3連勝と上々の滑り出しをみせている。しかし右腕のテーピング、左ひじのサポーターが目に付く。昨日(3日目)のベテラン妙義龍戦では、左おっつけ・右差しがままならないところに、(妙義龍は)出し投げで崩して勝負に出てきたが、熱海富士は相手の寄りを利用しての小手投げが決まって快勝!花道奥での笑顔が弾けた。

2日目・大翔鵬戦は、右差しの両者、仕掛けたのは熱海富士。大翔鵬の下手を切って、がぶりを見せながら寄り切った。
初日・琴勝峰戦。熱海富士左上手から頭をつけて寄る。琴勝峰も局面打開を計り、(やや強引な)下手投げで振ってきたが、熱海富士最後まで左上手をしっかり引きつけ寄り切った。

熱海富士の腕と肘、詳細まではよくわからないが、間違えなく良くない状態とだけは言えるだろう。
「我慢」と「辛抱」で3つの白星を掴み取ってきた。
私自身が思っていたより幕内復帰まで時間がかかったが、よく奮闘している。

今日4日目の対戦相手は千代翔馬。

取組直後、花道奥で付け人・蒼富士と笑顔で勝利を分かち合えるのか、それとも取組を見返しながら、反省・検証の時間になるのか。

このあとの取組が楽しみである。

熱海富士といっしょ!↓↓↓