新旧大関対決と今日の大の里など 秋場所6日目

 昨日・5日目で早くも全勝力士が消えた。
「優勝争い」というほど日数を消化したわけではないが、ビシッと締まりを感じないのは気のせいか。星の潰し合いはそれはそれで楽しく面白いが。 今日6日目の模様です。

~新旧大関対決2番~

2勝3敗で迎えた新大関。昨日、連敗を3で止めたがやや辛勝だったか。
連日難敵との対戦が続く。今日は元大関・朝乃山と。
左前回し(上手を)引いた豊昇龍。右からの下手投げで朝乃山が崩し寄って出たところを今度は豊昇龍が振り回すかのような下手投げ。今日も(少し余裕があったかもしれないが)勝ちを拾えたという言葉が当てはまるのか。今までと立場が変わったこと(勝って当たり前)の重圧・厳しさを実感しているのか。肩書き(大関)に馴染んで、華麗な足技を見せてくれるのはいつの日か。明日は錦木戦を控える。

霧島も懸命な土俵が続いている。2日連続で元大関と。正代戦。
強烈な左のど輪で正代をのけぞらせたが、正代いなして左差しから寄って出る。霧島が豪快にすくい投げ!正代も回しを引いてなかったので、あずける体も伸びていた。霧島も寄られて後退したが、本当の土俵際まで詰められたわけでなく、心と体の余裕があったように見えた。
明日は玉鷲。今場所まだ初日が出ていないが、玉鷲の長いリーチを生かした立ち合いののど輪には要注意だ。

豪ノ山ー髙安の1敗対決は、強い当たりの両者、髙安が右の起こすような突きで、豪ノ山の重心を失わせそのまま押し倒した。豪ノ山の気合を空回りさせた髙安の経験が上回った。

~今日の大の里~

立ち合い右を差す大の里。白鷹山の左おっつけで右が外され、すぐさまその右で(手前に)はたき込み。早い判断・切り替えについていけなかったか白鷹山。危険で安易なはたきに見えなくもなかったが、ずばりと決めるあたりはやはり一味も二味も違う大物感と言ったら言い過ぎか。明日の輝鵬戦に勝ち越し王手をかける。

大関・貴景勝は、下から下から突いていく。荒々しい突っ張りにも慌てることなく押し出し。5勝目を挙げた。初日の北勝富士戦を思えば(失礼ながら)よくやっていると思う。まずはカド番脱出を手堅く成し遂げたい。明日は正代。

琴ノ若は、右差しから一気に寄り切り。重い腰を問題にしなかった(錦木)昨日のバタバタぶりは何だったのか。

熱海富士は御嶽海と土俵際の攻防で、本割り・取り直しの2番連続で物言いがついたが最後は軍配通り熱海富士。元大関を撃破!よくやっている、立派だ!

大栄翔は肋骨骨折の影響が少なからずあるのか、4敗目。
若元春、状態が上向いてきたか。

6日目を終えた秋場所。
幕内は貴景勝をはじめに5人が一敗で並んでいる。
十両は全勝 大の里 1敗で美ノ海と一山本。

番外編で、幕下6枚目・尊富士(伊勢ヶ濱)が強い!

二所ノ関繋がり↓↓↓


3大関揃って勝利 大の里の充実ぶり 秋場所5日目

 5日目にして、初の大関陣勝ちのそろい踏み。
それに続く関脇・小結陣は勝ったり負けたりだった。

今日の大一番は、霧島ー朝乃山か。
霧島、左上手を取って主導権を握る。朝乃山が巻き替えに出るところを霧島が外掛けで牽制する。朝乃山が巻き替えにいくところを、霧島も寄って投げてみせて、お互い許さない。ひと呼吸置いたあとの霧島(2回目の)外掛けが決まり、連敗を「2」で止めた。明日も「元大関」正代。大物・くせ者を相手に内容ある勝利が求められる。

豪ノ山、全勝・阿武咲に快勝!
2日目の宇良戦の流れは消極的な「ダメ相撲」だったが、その後の隆の勝と竜電戦は積極的でよかった。竜電には四つ相撲で勝ってみせた。
今日は豪ノ山らしい、まっしぐらな相撲で阿武咲を全勝から引きずり落とした。
明日はベテラン・実績十分の髙安。どう攻略するのだろうか。

安定した取り口で勝利を積み重ねてきた琴ノ若。今日は翔猿に足元をすくわれる形になった。
立ち合い当たったあと、すぐに引き、決まらないと見るや前に出たが、翔猿はそれを利用するかの如くはたきこみが決まってしまった。昨日までのほぼ危なげない取り口はどこへやら。自爆に近い形で今日は黒星。切り替えて明日は錦木戦。この取組も目が離せない。

大の里の充実ぶりが目を引く。
今日の対戦相手は紫雷(木瀬)立ち合いからしっかり前に出て、圧力をかけて寄り切った。会心の相撲で5連勝!
NHK中継・中入りの時間では新十両紹介で今日はこの大の里が登場。ツイートもさせてもらったが、浮ついたところ・チャラい部分を感じさせない好青年だった。
伯桜鵬にも引けを取らないアマチュアの実績、素材の良さ・ポテンシャルの高さは、5連勝の相撲内容から日増しに証明されている。

大相撲秋場所5日目、幕内から早くも全勝が消えた。
1敗で大関・貴景勝をはじめに8人が並ぶ。

十両は、全勝が大の里のみ。
1敗で5人が競い合っている。

豪ノ山所属の武隈Tシャツです↓↓↓


序ノ口・35歳以上

 名古屋場所(7月)の序ノ口番付、東西合わせて43人いた中で35歳以上で絞ってみると、出てきたのがこの5人。西筆頭霧丸以外は残念ながら負け越しを記録した。

西筆頭 霧丸 4勝3敗 (陸奥・38歳) 

東2枚目 潮来桜 2勝5敗 (式秀・44歳) 

東3枚目 輝の里 3勝4敗 (田子ノ浦・45歳)

西6枚目 澤勇 1勝6敗 (式秀・46歳)

西21枚目 肥後光 0勝7敗 (木瀬・35歳)

全員生涯戦歴20年以上、輝の里以外の4人は、「序二段」が最高位であった。

序ノ口といえば、本場所興行のおおよその時間割に当てはめると、遅くても午前10時前後には取組が終了しているか。

良いも悪いもない。

新序出世披露していく若者と取組を通して、自分の居場所と存在を発信し続ける。

左から、霧丸・潮来桜・輝の里・澤勇・肥後光↓↓↓

来場所頼みますよ!新大関!!↓↓↓

新大関の部屋で、異彩を放つ3力士

新大関霧島(旧四股名・霧馬山)誕生に湧き、意気上がる陸奥部屋。

またその裏側には、幕下以下(正確に言うと三段目以下)に昭和生まれの3力士が所属していて、来たる名古屋場所に備えている。

西三段目56枚目 鋼(はがね)     昭和56年8月29日生(41歳)
東序二段92枚目 霧桜(きりざくら)  昭和58年5月26日生(40歳)
西序ノ口筆頭   霧丸(きりまる)   昭和60年4月5日生 (38歳)

鋼は2000年3月場所に井筒部屋から初土俵。
愛知県刈谷市出身のご当所力士。
一時期、井筒部屋の代々に伝わる四股名「鶴嶺山(かくれいざん)」を名乗っていた時期がある。期待が大きかったのだろう。
最高位は東幕下16枚目。幕下を離れて7年が経つ。

霧桜は1999年3月場所に初土俵。
鋼よりも力士歴は1年多く上である。最高位・西三段目69枚目。
鹿児島県霧島市出身。
陸奥部屋の力士になることは運命だったのか。
序二段在位114場所目。
100㎏満たない体重で(現在95㎏)奮闘を続ける40歳だ。

最後に霧丸は、2001年3月場所初土俵。
愛知県名古屋市名東区出身のこちらもご当所力士。
中卒での角界入り、たたき上げ。東序二段20枚目の最高位。
今年序ノ口2場所目。身長171cm・体重152㎏
今年の力士名鑑には、ちゃんこ長。ファン感謝祭のちゃんこぐらんぷりで優勝とあった。

以上が、陸奥・昭和世代3力士の現在地である。
支えているのは相撲愛か。
40歳前後で現状のこの番付、「関取」「給料」の2つの言葉を見据えるのは厳しく難しいか。

新大関誕生に話題が集まる中、この3力士も奥深い存在感を放っている。


三賞と各段優勝の顔ぶれ・令和5年夏場所

 4場所連続休場明けの照ノ富士の優勝で幕を閉じた大相撲夏場所。
「横綱」の威厳と安定した強さを見せつけ、次々に難敵を攻略。見事6場所ぶり8度目の優勝を果たした。
一日明けた今日は、三賞受賞と各段優勝力士(幕内十両を除く)のご紹介。
敢闘賞は該当者がなかった。

~三賞受賞力士~

殊勲賞・明生 立浪部屋 東前頭6枚目 8勝7敗

初日から破竹の勢いで7連勝。一時は優勝争いのトップい立つ。
9日目、横綱・照ノ富士を見事寄り切りで破った相撲が大きく評価されたようだ。
終盤に足を痛めた様子が感じられたが、最後まで大健闘の戦いっぷりだった。 

明生関にエールを送ろう↓↓↓

技能賞・霧馬山 陸奥部屋 東関脇 11勝4敗

大関獲りのかかった今場所、その重圧からか立ち合いの変化や(寄られて)後退し、危ない場面も見受けられたが、後半戦を過ぎた頃から日増しに改善。スピードと(投げの)キレ、力強さが戻ってきた。来場所はいよいよ大関。全てにスキルアップし、今度は下位力士たちにその力を示してほしい。

技能賞・若元春 荒汐部屋 西関脇 10勝5敗

ここ数場所でメキメキと力をつけてきた大波3兄弟の次男、若元春。
今場所は初日から5連勝。最終勝ち星・10勝の内訳も、正代・豊昇龍・北青鵬・貴景勝らを撃破。横綱・照ノ富士をすんでのところまで追い詰めた。来場所は、豊昇龍・大栄翔と共に大関獲りを懸ける。期待したい。

~各段優勝力士~

幕下優勝・木竜皇 立浪部屋 西幕下26枚目 7勝0敗

あの元幕内・時津海(先代時津風親方)の長男である。
小学校1年から相撲を始め、アマチュアで数々のタイトルを獲得。
今場所は6番相撲でウクライナ出身の獅司、7番相撲で元幕内・大翔丸を破った。
人の良さそうな優勝インタビューでの受け答えが印象的。
来場所は幕下上位に食い込み、新十両への足掛かりを築くことができるか。

三段目優勝 漣 伊勢ノ海部屋 東三段目42枚目 7勝0敗

四股名は漣(さざなみ)と読む。
7番相撲では、豊翔(28=境川部屋)に勝ち、全勝優勝を決めた。
「土俵際の粘りは持ち味」と語り、自信を持っている。15歳で入門して初めての各段優勝。
岩手県奥州市出身の23歳。メジャーリーグで活躍する大谷翔平は奥州市立水沢南中の先輩にあたるそうだ。

序二段優勝 聖富士 伊勢ケ濱部屋 東序二段60枚目 7勝0敗

こちらの四股名は聖富士(さとるふじ)
序二段は7戦全勝同士による優勝決定戦が行われ、欧勝竜 鳴戸部屋 西序二段7枚目 に上手投げで勝ち、優勝を決めた。
この欧勝竜、一時は幕下7枚目まで番付を上げた強者。昨年秋場所後に右肩を手術して3場所連続の全休明けで臨んでいた。
聖富士は、静岡・飛龍高出身で2学年先輩は同部屋所属の熱海富士である。

序ノ口優勝 春山 尾上部屋 西序ノ口22枚目 7勝0敗

アマチュアの強豪である埼玉栄高校から日大に進み、主将を務め、全国学生選手権の団体で優勝した経歴を持っている。
黎大丸(れおんまる・式秀)との全勝対決を一方的に寄り切った。
高校の同級生には十両北の若らがいる。
「前に出る相撲を取りたい」と将来像を語り、押し相撲の磨きをかける。