誕生日おめでとうございます

 ある方のツイートで気付かされた。
大嶽部屋の序二段(大鵬部屋最後の現役力士及び最後の入門者)森麗が今日36歳の誕生日を迎えた。

濃厚な力士歴の持ち主である。
初土俵から丸20年、ここまで119場所戦い、258勝558敗10休。内訳が
序二段戦歴 69勝168敗1休(34場所)
序ノ口戦歴189勝390敗9休(84場所)

新序出世から38場所連続負け越しという昭和以降のワースト記録保持者。
新弟子当初から勝つこともままならない相撲が続いていたが、経験を積むにつれて少しずつ白星も増えた。しかし、勝ち越しに至らない。当時、部屋付の親方だった現在の大嶽親方に再三引退を促されるも、本人は涙ながらに拒んだ。

~森麗に改名、光明が差す~

どこまで続く負け越し記録、いつまで続く暗闇トンネル。
2009年11月場所を前に四股名を本名の「森川」から「森麗」に改名。
「地方競馬のハルウララと重なる部分はある。負け続けてもみんなに愛される力士になってほしい」との願いが込められたそうだ。
心機一転を図ったことが功を奏し、この場所を4勝3敗で見事に勝ち越した。

しかし、これを機に番付が大きく上昇することはなく、序二段と序ノ口を行ったり来たりの現状が続いている。

森麗のwikipediaには、小学6年時の王鵬と部屋の稽古場で相撲を取り負けたことがあるとか、体験入門に来た相撲経験のない柔道部員の高校生にあっさりと寄り切られたなどの逸話もあった。

根っからの相撲人間なのだろう。
場所ごとの手当で相撲を取り続ける36歳。
これからもさまざまな話題を聞かせ続けてほしい。

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新しい歴史へ向けて、湊部屋

 夏場所10日前の5月4日、相撲界にかなりの激震が走った。
幕内優勝経験者、最高位・関脇(在位8場所)「モンゴルの怪物」こと逸ノ城(湊部屋)が突然引退したのだ。慢性化していた腰痛を引退の理由としていたが、3月の春場所で十両優勝を成し遂げ、夏場所の新番付にも、西前頭13枚目に名を連ねていた矢先の出来事だったので、腑に落ちない・不信感が極まった。

湊部屋は、埼玉県川口市にある。先代の元小結・豊山が創設した(1982年当時)戦後初となる埼玉県に創設された部屋である。

部屋頭・看板人気力士(逸ノ城)を失い力士数9人となった。
その面々のご紹介。少しのエピソード付きで。

(夏場所の番付順で)
東三段目筆頭 諒兎馬 龍(あきとば りょう)
中学卒業後に入門。スポーツ経験はなく、部活は囲碁将棋部に所属していたという変わり種。
四股名は、元幕内の若兎馬から頂戴したそうだ。
2年前に右膝の大ケガを負った。手術を受け番付を大きく下げたが、復帰して稽古に精進し這い上がった。元関脇琴錦(朝日山親方)のような一気に前に出る相撲を理想と掲げる。
最高位 東幕下27枚目

東三段目41枚目 鷹翔 光司(おうか こうじ)
高校(児玉白楊高)で柔道経験後、角界入り。土俵歴12年。休場歴がここまでない。
最高位 東三段目4枚目

西三段目67枚目 榛湊 貴浩(はるみなと たかひろ)
小学3年の頃から相撲を始めた。兄が同部屋の夏野登岩(かやといわ)と中学の同級生という縁で誘われて湊部屋へ入門。
最高位 西幕下36枚目 

西序二段8枚目 夏野登岩 大門(かやといわ だいもん)
初土俵から長年「濵湊」の四股名を名乗っていたが、2018年3月場所より現在の四股名へ。本名は濵名 夏野登
最高位 西三段目27枚目

西序二段9枚目 福湊 龍二(ふくみなと りゅうじ)
諒兎馬同様、スポーツ経験も無かったそうだが、勉強嫌いで身体が大きいことを理由に、力士の道を志したそうだ。
最高位 西三段目78枚目

東序二段29枚目 煌星 朱(こうせい あきら)
高校を中退して角界入門。本名の下の名前を四股名につけている。
番付に名前が載ってからの3場所負け越しなし。
最高位 東序二段29枚目

西序二段30枚目 昂輝 拓実(こうき たくみ)
中学の頃から相撲を始めて、3年次に県大会2位になり全国大会に出場。
湊部屋の名古屋場所宿舎が実家近くにあったことが入門の決め手。
去年三段目中位まで上がるも、現在は序二段に在位。
最高位 東三段目53枚目

東序二段55枚目 名島 和希(なじま かずき)
中学卒業後角界入り。
80.2㎏の体重で奮闘している。
最高位 東序二段55枚目

西序二段91枚目 艶郷 剛志(つやさと つよし)
柔道は初段の腕前。相撲は中学2年の頃から始めて、中3で関東大会団体戦に出場。
最高位 東序二段31枚目
先場所(3月)この最高位で7戦全敗を喫してしまった。

関取を見据えた上でこれといった有望株は現状いないようだが、この9人で切磋琢磨しあって、新しい湊部屋の輝かしい歴史を作ってほしいものだ。

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手計家の人々

 現在3人の関取が所属する佐渡ヶ嶽部屋の一角・琴勝峰(本名・手計富士紀(としき))は、小学1年で相撲を始め、入門してから6年近く経った今では、幕内上位に顔を出すようになった。

4歳年下の弟がいる。同部屋・幕下の琴手計(ことてばかり)である。
こちらは5歳の時から相撲を始め、アマチュアで優秀な成績を上げ、力士経験2年足らずで現在幕下で活躍中。

今日はこの手計兄弟とご両親を含めた「手計家」を紹介する。

まずは兄・琴勝峰。
埼玉栄高校へ進学し、同級生には納谷(現・王鵬)と塚原(春日野・幕下)がいた。
アマチュア時代、団体戦では実績を残したが、個人戦では優勝経験が無いとのこと。
現・琴ノ若が柏市相撲スポーツ少年団の先輩にあたり、小学生時代から部屋に誘われていたことから高校3年の在学中に、佐渡ヶ嶽部屋に入門(2017年11月場所)
幕下には(初土俵を含めて)所要6場所での到達。
そこから十両へは、その翌年(2019年)の九州場所と順調に歩を進めた。
その十両を3場所で通過。幕内へ上がるが、2021年初場所2勝13敗、翌春場所には右足のケガで途中休場するなどして、十両陥落。
再起し、十両優勝を確実な実績に再入幕後(2022年春場所)現在に至る。

突き押し、四つ相撲のどちらかに絞ることは考えず、「押しても組んでも、自分から攻めていきたい。その時の流れを大事にしたい。両方を磨いていけたら」と”二刀流”を宣言し、上位を目論む。

続いて、弟・琴手計。
去年初場所初土俵後、3月・5月と序ノ口・序二段優勝、三段目を2場所で通過。
幕下に至っても、今年3月(春場所)は3勝4敗と負け越したものの、今場所(5月)は東23枚目で4勝3敗だった。右四つ・寄りが得意の19歳である。

さて、今度はご両親。
母親は韓国出身の方だそうである。なので、琴勝峰・琴手計兄弟は日本と韓国のハーフになる。

そして父親は、元ボディビルダーだそうです。
2017年の千葉県の大会では上位に入賞したこともあるとか。

このご両親2人で、千葉県柏市(柏駅近くで)居酒屋を経営されてるそうです。
「達麿(だるま)」という店名で、毎日地元の市場から新鮮な魚介類を入荷した料理が美味しいとの評判で、創業50年以上も続いている柏界隈でも有名な居酒屋だとわかりました。

https://tabelog.com/chiba/A1203/A120301/12016384/

本題に戻る。
琴勝峰(23歳)、琴手計(19歳)と前途は洋々だ。
角界の看板にもなり得る可能性を秘めた2人には、質量ともに十分な稽古と経験を積み重ね、自信と実力を養ってほしい。次代のホープなのだから。

茨城・阿見町に部屋を構えて早や1年

 元横綱・稀勢の里が部屋を興し、茨城県阿見町に新部屋が完成して一年が経った。

部屋は約6千平方メートルもの広大な土地に新築。稽古場は効率性を重視して通常1面の土俵を2面つくり、屋外にはバスケットボールができるスペースを設けた。既存の相撲部屋の常識にとらわれないこだわりを感じさせ、異例の広い敷地を生かしての地域交流や相撲普及など幅広い構想があるという。
(日本経済新聞より)ちょうど一年前の記事です。

元関脇・嘉風の中村親方の内弟子を含めて、現在総勢19人を数える二所ノ関部屋。

有望株・関取が手に届きそうな力士もいる(生え抜きで)

大の里・・・2年連続アマチュア横綱の看板を引っさげ、幕下10枚目格で5月場所デビューしたばかりの23歳。先場所6勝を上げ、来場所は十両目前に番付されることが予想される。
初土俵の場所から四股名を与えられるほどの期待の逸材。
「大の里」とは、大正から昭和初期に活躍した青森出身の大関で、164センチの小兵で力が強く「相撲の神様」の異名を取った力士だそうである。

他にも龍王・宮城と続くが、尾車部屋からの移籍組。高橋や嘉陽も日体大相撲部からの入門なので、(日体大出身の)中村親方が独立するまでの在籍かもしれない。

花房(はなふさ・三段目)、藤宗(ふじそう・序ノ口)このあたりがアマチュア経験・実績を上げ入門した生粋の「二所ノ関戦士」か。

広大な土地に大きな部屋を構え、力士達は伸び伸びと稽古を重ね、相撲に精進した生活を送る。都心・東京近郊に多く所在する相撲部屋の概念に逆行するかのような新機軸を打ち出して早や一年。

早稲田大学大学院で、弟子の育成法や部屋の運営手法などを多面的に学んだ二所ノ関親方の相撲理論・哲学はこれから一層花開く。

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次代の押尾川を担うのは

 押尾川部屋(師匠・元関脇豪風)の現在所属力士数は7名。
基本的に師匠の現役時代の四股名よろしく「風」がつく力士がほとんどである。
部屋頭は風賢央(かぜけんおう・西幕下13枚目)
続いて、矢後(やご・西幕下17枚目、幕内経験者)
この2トップが、部屋を引っ張っている存在だ。

上述した風賢央は、押尾川部屋の「米びつ」とも言える次世代を託せる存在であろう。部屋の期待も大きい。

風賢央 厳太(かぜけんおう げんた)

1999年6月4日生まれの24歳(なったばかり) 
愛媛県西予市出身。
小5から相撲を始め、高校大学時代には全国大会における輝かしい実績を数々収めた。

(元豪風師匠の)押尾川部屋創設以来初めての新弟子。
2022年3月、風賢央の四股名で初土俵。
「風」師匠の現役時代の四股名
「賢」高校時代の恩師の名
「央」母校・中央大学に由来

翌5月場所、6勝1敗で決定戦を勝ち抜き、いきなりの序ノ口優勝。
この場所を含めた5場所連続6勝1敗を続け、番付を大幅に上げてきた。
今年3月場所・西幕下16枚目で4勝3敗
  5月場所・西幕下13枚目で5勝2敗
来場所はどの辺りに番付されるのか。

強い立ち合い(当たり)からの押し相撲を信条とする。
夏場所14日目の峰刃(錣山)戦なんかその理想がばっちり当てはまったいい相撲でした。

若さと勢いで関取の座を掴み取り、新生・押尾川部屋の広告塔的存在になってほしい。

押尾川部屋ツイッターより

押尾川部屋のれんです。