最後の会場での優勝決定劇 2024名古屋千秋楽

 最後はきっちり横綱が締めてくれた(10回目の優勝)
しかし、最終形にたどり着くまで二転三転と移り変わりがあった。
愛知県体育館最後(60回目)の開催に相応しい劇的な幕切れを振り返ります。

本割り・隆の勝ー大の里

昨日、照ノ富士を破る金星を上げた隆の勝は本割りで大の里と対戦。
大の里も勝ち星を2ケタに乗せていい形で来場所の大関獲りにつなげたい。
今場所の主武器としているのど輪からの攻めが効果的。右差しから走るかのように出て行く。大の里に何もさせなかった。

本割り・照ノ富士ー琴櫻

照ノ富士の本割り、対戦相手は琴櫻。
11日目から3連敗と失速、最後に意地と大関としての存在をアピールしたいところ。
立ち合いスパッといい具合にもろ差しの琴櫻に横綱が当然極めにかかるも、左に動きながらうまく極めから逃れ、右を差そうとした照ノ富士を左に回り込み上手出し投げに仕留めた。
照ノ富士、3敗に後退で決定戦が決まった一番。

優勝決定戦・照ノ富士ー隆の勝

3敗同士でもつれ込んだ大一番。
隆の勝、昨日の両者の本割り同様のど輪からの攻めでもろ差しになり、果敢に寄るも照ノ富士に巻き替えを許し、体勢を起こされたところで腰が伸びきってしまい万事休す。寄り切りで照ノ富士。優勝はやはり横綱の手に。

私自身、隆の勝に奇跡を起こしてほしいと思う派だったがそれは実らず。というか甘くなかった。
挑戦者・隆の勝は出し切ったと思う。そして潔く散った。来場所以降にこの経験と自信を生かしてほしい。

そして、横綱・照ノ富士。長きにわたる膝と腰に致命的な爆弾・糖尿病なども抱え、状態を悲観視する声もあった中、最後に見事な「優勝」という結果を出し、角界の看板・第一人者であることを証明してみせた。

やっぱり強かった↓↓↓

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隆の勝を検証、1横綱・2元大関戦

 隆の勝が大健闘。
優勝争いを揺るがしている。今日はトップを走る横綱に敗戦を味あわせた。

今日14日目・照ノ富士戦

立ち合い、照ノ富士は右の肩辺りからだが「かち上げもどき的」な動きを見せて結果的に隙を作ることになり、そこにつけ込まれ勝負はあっ気なかった。作戦ミスというか完全なる(横綱の)完敗。対して隆の勝、7連勝と波に乗り11勝目。気づけば照ノ富士を1差で追う展開となった。

13日目・霧島戦

この一番に関しては(失礼だが)戦前、霧島に焦点が集まっていた(既に5敗を喫し、大関復帰に向け負けられない一番だったが)右からの張り差しを受けたが、意に介さず左に回り込み(霧島の)上体を崩したところを押し出した。

11日目・正代戦

立ち合いに右のど輪で正代を起こし、頭をつけて左差しから迷わず一気に決めた会心の相撲。
今場所の正代(元大関)も悪くないんです、内容が。

ともかく今日の一番は左おっつけにのど輪が連動してうまく嚙み合った殊勲の星でした。
今場所の活躍は場所前に発表したプライベートの変化も好材料としてうまく作用してるのかもしれませんね。

伏兵・ノーマークだった(失敬)前頭6枚目が最後に奇跡を起こすかもしれない(他力に関わる部分もあるが)

旋風を巻き起こせ!↓↓↓

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正代の 良い・普通・頑張ろう ~秋場所より~

良い正代 7日目・貴景勝戦
貴景勝ペースで進む。突き放し、左からのいなし、強烈な張り手を右から左から1発ずつ2発浴びせる。引いたところにつけこみ押し出して正代。張られたあと明らかに表情が変わった。 
貴景勝も初日黒星スタートのあと、5連勝できて6連勝を狙いたい取組だったのだろう。元大関に勝って更に勢いにのっていこうという腹積もりだったのかもしれないが、眠れる「正代」を起こす形になってしまった。正代の「気合入った版」これを常時見てみたいものだ。

普通の正代 14日目・朝乃山戦
正代だって元大関。こちらも元大関・朝乃山。自らの不祥事で一時は三段目まで番付を下げたが、捲土重来を期して番付を前頭2枚目まで戻してきた。
お互い五分の立ち合い、右差しから迷うことなく電車道。体・重心を預けて寄り切った。
実力者同士の実力伯仲の対決に思われたが、正代だってもっているものをいかんなく発揮し、積極的な相撲を取ればうまくいく、白星が取れる好例とも言っていいだろう。

頑張ろうの正代 6日目・霧島戦
霧島からの左のど輪で顔をはね上げられたが、左が入って寄って出た。勝負を決めに寄って出たが、霧島左からの強引なすくい投げ!正代は回しを引いてない分、伝わる圧力も弱めになり、体が伸びかかり気味のところに、霧島のすくい投げを食った形になってしまった。勝ち急いでしまったのか、もったいない一番を落としてしまった。

正代と申します↓↓↓

熱海富士と正代に感謝申し上げます 

 貴景勝の優勝、熱海富士の大健闘から一夜明けまだ興奮が冷めやらない。世間・ネット上では決定戦での決着(というか立ち合い)に対して、やはり非難の声が多いようだ。
今日はどういう内容で投稿しようか考えたが、私の推し力士・熱海富士と正代の今場所の相撲を何番か振り返ろうと思う。

今場所の熱海富士に「パワー」「破壊力」「圧力」などの表現する言葉が並び、よく目についた。
しかし11勝を振り返ってみると、土俵際の粘り勝ち・劣勢からの逆転で勝利を積み重ねたのも印象に残っている。

~14日目・阿炎戦~

優勝争いも佳境に入っていた14日目、阿炎の立ち合い大きな変化で、普通ならこれで終わる・足が出てしまってもおかしくないぐらいだが、ここで持ちこたえ逆襲に転じ、力強く寄り切った相撲。稽古相手に恵まれた伊勢ヶ濱部屋で日頃からかなりの番数をこなし、鍛錬を積んでる証だろう。見事に阿炎を打倒してみせた。

~6日目・御嶽海戦~

取り直しになったこの一番。本割りにしても、土俵際で決着がついた似たような相撲だった。相撲内容は決して褒められたものではないが、ここで残れたのも稽古の賜物ではないかと思い取り上げた。

~(3日目)妙義龍戦・(4日目)千代翔馬戦~

相撲巧者・妙義龍戦でも、右四つから出し投げで崩して寄って出てきたところに小手投げでズバリと決め、翌日の千代翔馬戦でも土俵際ですくい投げを決めてみせた。劣勢を挽回できるメンタルと強靭な肉体・スタミナも徐々につき始めているのであろう。

ー今場所の正代

今場所3関脇に3連敗スタートの正代、厳しいかな・難しいかなと思っていた。
そこから豊昇龍と貴景勝の両大関を撃破したのは痛快だった。「ようやく目が覚め始めたかな」と。

~4日目・豊昇龍戦~

鋭い踏み込みから一気に押して出る豊昇龍。左が入った正代。思い切りよく振り回すようにすくい投げを決めた。先輩大関は新大関へ相撲を通してメッセージを送ったともいうべきか。

https://www.youtube.com/watch?v=-Mihzmpbg7I

~7日目・貴景勝戦~

貴景勝がいなしたあと、強烈な張り手を右に左に食らわせるも正代は怯まなかった。逆にそこにつけこみ押し出した。終わってみればこの張り手で正代の闘志に火がついた形になった。

~14日目・朝乃山戦~

14日目のこの相撲は会心の相撲だった。立ち合いからもろ差しとなり、一気に寄り切って朝乃山を寄せ付けなかった。全くの正代ペースで強さと逞しさを感じ「やればできるじゃん・いけるじゃん」と思えた。

ー二人への所感

正代
左足首や右足親指の過去のケガの具合はどうなのか、全てが完調というわけではないだろうが、私はまだまだ十分に三役上位で2ケタ勝てるだけの力があると見ている。
31歳、全然老け込む年ではない。

熱海富士
これはサイドストーリーになるのだが、熱海富士は母子家庭で苦労して育ったと聞く。
小学生の頃には仕事の母に代わりに夕食を作り、高校時代は家計を助けるため、皿洗いのアルバイトで通学交通費などを自ら稼いだそうだ。しかし、熱海富士からはそういったつらい過去から卑屈さや自虐的な面が全くなく、どこまでも温厚で礼儀正しく、穏やかで和やかな好青年をこれからも応援し続けようと強く思った。

秋場所を盛り上げてくれてありがとう、両雄へ。

来場所も頑張ってくれ!↓↓↓

21歳若武者物語 秋場所千秋楽

 昨日14日目終えた時点で、優勝争いトップに立っていた。
相撲のネットニュースを見渡せば、「熱海富士 所要18場所史上最速V王手! 21歳0カ月で初賜杯なら白鵬超え年少記録」との見出しが目に付いた。もの凄い偉業に挑む熱海富士。今日の結果は如何に!?

~熱海富士・朝乃山戦~

若干朝乃山に分のある立ち合い、そのまま寄っていく朝乃山。熱海富士も左上手を取るが、流れを変えることができずに寄り切って朝乃山。熱海富士4敗になりこの時点で優勝の行方は決定戦に持ち込まれた。

~大栄翔・貴景勝戦~

4敗同士の一戦となったこの2人の対決。
お互いの激しい突き押しから、貴景勝が左のはず押しで大栄翔を横を向かせ送り出し。大関の圧力が勝った。貴景勝、決定戦進出!

他の4敗の2人 髙安は霧島に、北青鵬は豊昇龍に敗れ決定戦進出成らず!
豊昇龍は内掛けを絡めながら「渡し込み」で千秋楽勝ち越し。新大関として周りの目・立場状況が変わり苦労の多い場所だった。

~優勝決定戦 貴景勝・熱海富士戦~

熱海富士の対抗馬として残ったのが貴景勝。
4度目の優勝成るか、大関としての威厳を示すことができるのか。
熱海富士が鋭い踏み込みを見せたが、貴景勝左に動いてはたき込み!
何ともあっ気ない幕切れとなったが、大関が(立ち合い前の)相手の雰囲気・オーラを読み感じ取ったのか、優勝を勝ち取った。敗れた熱海富士は悔し涙にむせぶ。
11勝での優勝は決して褒められたものではないが、貫禄を見せつけた。

~他の取組をダイジェストで~

正代は宝富士に左四つから巻き替えの応酬から上手投げを決めて、千秋楽勝ち越し。

豪ノ山は翔猿に常に先手を取って突いて出て、押し出した。
先場所の新入幕トリオは、豪ノ山9勝・湘南乃海7勝・伯桜鵬・全休という結果に終わった。

※十両の優勝争いは、一山本が大奄美を押し出し、大の里が狼雅に土俵際のすくい投げで敗れ一山本が13勝2敗で優勝した。

熱海富士の偉業・快挙達成は成らなかった。
今日は地元から母・奈緒さん、妹・陽奈(ひな)さんが国技館に駆け付け、パブリックビューイングからは、熱海市民が懸命の声援を送ったが残念な結果に終わった。

今場所最後までこの21歳の新鋭に多くの相撲ファンが取り口・(相撲に賭ける)一途さ・人間臭さに虜にされた。

何も恥じることはない 胸を張ろう 来場所はもっと強くなる

両者にありがとう!↓↓↓