宝富士、関取維持を賭けた秋場所

 宝富士 大輔

1週間後に控える秋場所の番付は、東十両12枚目。
今年に入って(4場所とも)2ケタ敗戦を続けており、幕下陥落もすぐそこまできている。

さすがにもう厳しいかなと、年齢と最近の星勘定からすればそう思う。

宝富士の公式記録に未だ「休場」はないが、3年前の秋場所終盤で左上腕二頭筋断裂の影響により、以前ほどの稽古ができなくなり、ごまかしながら相撲を取ってきたとか。
それに重ねてヘルニアも発症。
なるほどその辺りから、幕内10枚目以降に番付されることが多くなり、今に至っている。

闘志をむき出しにすることなく(失礼ながら)勝利に対する貪欲さが伝わってくるタイプではない。
しかし、得意の左四つになればまだまだしぶとく力を発揮する。

1987年の早生まれで同年齢の佐田の海より1学年上。
玉鷲に続く現役関取の高齢はこの男か。

最高位の関脇及び三役3場所の経験、ここまでの通算3個の金星獲得、唯一の三賞(敢闘賞)受賞は全て2015年からの3年間に集約されている。

関取剣が峰を迎えた今場所はどんな「味」と「存在感」を見せてくれるのか。

「角界のマツコ」こと宝富士。
関取の座を守るべく、両国の土俵に上がる。



関取昇進へ 藤島のホープ

 元大関・武双山が率いる藤島部屋。
所属力士数は14名。
現在、関取は1人しかいないが(藤星雲のみ)
幕下には秋場所番付で6人が名を連ねる。

更に十両を射程圏内に入れた幕下上位が2人。
五島(西幕下5枚目)と
福崎(西幕下6枚目)の紹介。

学卒力士(拓殖大学出身)の五島。
アマチュアで数々のタイトルを獲得・実績が認められ、熱心に勧誘してくれたという藤島部屋から今年3月、幕下付出としてデビュー。一足飛びに番付を上げている。突き押しを主武器として戦う。身長体重だけを切り取ってみれば、180cm・181㎏と幕内上位の土俵にでもお見受けしそうな立派なフィジカルを兼ね備えている。
愛知県春日井市出身。
入門当初の五島青年↓↓↓

もう一方の福崎。
こちらも五島に劣らないアマチュア実績を残して高卒後にプロ入り。
五島の年下になるが、喰らいつくように番付上昇を続けるホープである。
鹿児島県奄美市出身。
5歳で相撲を始め、毎日稽古に励んでいたという「相撲の申し子」
名門・樟南高校で相撲の磨きをかけ、目標は先輩(OB)元大関の若嶋津を超えて、横綱を目指す。

両者共にプロ4場所目、ここまで通算16勝5敗。
一気に関取入りを決められるか。
それには5勝、願わくば6勝を挙げたいところ。
藤島部屋に更なる灯りをともすことができるのか。