栃大海=幕下時代までの塚原がようやく新入幕という花を咲かせた。

小学3年から始めた相撲。
アマチュアで十分な経験を積み「中学生横綱」のタイトルを獲得。
多くの名力士、及び有力現役力士を次々に輩出している埼玉栄高校卒業後にプロデビュー。
結局、幕内にたどり着くまで(初土俵から数えて)7年半経過している。
序ノ口・序二段と2場所連続優勝の滑り出しを見せていたのに加え、プロ入り前の背景・ポテンシャルを思えば時間がかかったか。
平成最後の方(2018年・平成30年)11月に幕下に顔を出してから、三段目以下に番付を落とすことなく「塚原、塚原」と四股名はよく耳にしていたが、やはり「幕下」と言う名の難関をクリアするのは容易ではなく、東幕下筆頭で2度の負け越しを経験。
苦労の末に掴んだ新十両の座を射止めたのは、丸一年前の昨年5月。
在位2場所で一度陥落を味わっているが、すぐに返り咲き、3場所連続勝ち越し中。
主武器とされる突き押しを盾にどんな相撲を見せてくれるのか。
勝ち星をいくつ積み重ねられるのか。
この栃大海のWikipediaを見て「花のイチイチ組」と呼ばれる1999年・平成11年度のグループが存在していることを私は初めて知った(横綱・豊昇龍を始め、王鵬、尊富士)を先頭に錚々たる顔ぶれが並んでいた。彼もようやくある意味におけるスタートラインに立ったか。
意外にも、名門・春日野部屋の現在唯一の関取はこの男。
25歳の若さ・伸び代に加えて、老舗の矜持・存在感を発信する役割も担っている。