20歳の奇跡、安青錦7連勝 2025春場所12日目

 今日(12日目)の新入幕・楽しみな安青錦は、実績十分・幕内在位38場所目の手練れ、西11枚目の明生(立浪)との一戦。
若武者の一貫した低い姿勢からの攻めに途中で焦れたのか、ベテランは引いてしまった。そこを押し出し9勝目、連勝を「7」に伸ばした。

隙の見当たらない充実した相撲に、胸の高鳴り・高揚感は増すばかり。
明日は本日、大関・琴櫻に星を落とした関脇・大栄翔戦。
連勝を伸ばし、存在を示し続けられるか。

昨日、黒星を喫し、歯車が狂うことが懸念された髙安。
今日は今場所期待外れの貴闘力の息子を押し出して2敗を守った。
王鵬の執念で土俵際を残されたが、後ろ向きになった関脇を髙安は押し出した。
13日目は、大波家の次男・若元春。対戦成績は髙安の5勝2敗。
今場所1横綱・2大関を破った実績を胸に秘め、最終盤へ突入する。

横綱大関陣で唯一、優勝争いに参戦している大の里と尊富士の2敗決戦は、言葉とは裏腹な相撲内容。尊富士の突進を瀬戸際で何とか白星に間に合わせたといったざま。まぁ正直、見込み外れでしたね。
疲労が蓄積しているのであろう、吸引療法の痕が背中のあちこちに散見されるが、現状の角界の屋台骨として最後のひと踏ん張りを見せてほしい。

安青錦に続く、安治川の次鋒・安大翔は6番相撲で12日目に登場。
高砂のホープと言われて久しい・深井(東幕下筆頭19枚目)を下手投げに破り3勝3敗。
2日連続で明日13日目も土俵に上がる。松井(伊勢ヶ濱)との激突。勝ち越しを賭ける。

髙安後退に浮上する新世代 2025春場所11日目

 髙安の優勝が絡む大一番に負ける・落とすジンクスのようなものは、今場所も11日目で顔を覗かせてしまった。

1敗で単独トップに立った昨日の今日で迎えた霧島戦。
果敢に突き押して霧島を土俵際まで追い込んだまではよかったが、霧島のいなしっぽい右で状況が一変、そのまま押し出されて2敗へ後退した。

まだ千秋楽まで4日あるし、巡り合わせ次第で取り返し可能。
しかし「またか」感が強くよぎった今日の髙安敗戦劇だった。明日は王鵬。

大関・大の里は、対・宇良に最善の安全策。
距離を取る・中(懐)に入らせない・相手の動きをよく見る
を着実に遂行。手堅く9勝目を上げ、明日の2敗決戦・尊富士戦に歩を進めた。

尊富士も良いが、私は新入幕・安青錦を推したい(個人的感情がかなり入っているが)
じわじわと番付を上げ、少しずつ復調の気配を感じる伯桜鵬相手に、はたき込みで勝ち越しを決めた。インタビューでは「師匠に言われたことをやるだけ、結果につながってる」と全く浮ついた様子が感じられず、最後に「2ケタ勝ちたいです」と力強く言い切った。
尊富士7連勝の陰に、ピタリとつける6連勝。
尊富士の快挙(新入幕優勝と三賞総なめ)からちょうど一年。
今年の春場所は・・・、とまでは夢を見すぎかもしれないが、優勝争いを揺るがす存在までにと託したくなる。
やってくれるかもしれない!

立浪新横綱の因縁

お昼ぐらいに「豊昇龍休場」の一報。
悲しい知らせと受け止めた。

提出された診断書には、右肘関節内遊離体、頸椎捻挫で2週間の加療を擁する。8日目の高安戦で右肘を痛めたとのこと。
そうかなぁ?の思いで動画を8日目(おととい)9日目(きのう)と見直したところ、最低でも激痛に見舞われたとは取れなかった(あえて言えば昨日の敗戦直後に少し気にしてたかなという程度)

立浪部屋史上4人目の横綱・豊昇龍、大車輪の活躍をした6代前の横綱・朝青龍を叔父に持ち、照ノ富士から受け継いだバトンをどう輝かせるのかなという横綱デビューの場所がこのような形になってしまい、残念で仕方ない。
私感としては、やっぱり(横綱に上げるのは)早かったかな、本人が一番つらい(かわいそうだなと)

「立浪」で括ってしまったが、最初の2名が双葉山、羽黒山と相撲史にその名を残した大横綱。そしてもう1名があの「双羽黒」こと北尾光司なんですね。

その新横綱としての休場は双羽黒以来39年ぶりと報じられていた。

あの時を振り返ってみても(北尾は)直近3場所がどうだとか(1度の優勝も果たしていないなど)いろんな議論が交わされたそうだが、逸材だのスケールが大きい、稽古・本人の努力次第の期待値込みでねじ伏せられる感じで横綱昇進が決まった。

この立浪部屋が生んだ両雄の横綱としての一部足跡、対比。

【横綱昇進年齢】
双羽黒 22歳11ヶ月
豊昇龍 25歳8ヶ月

【横綱昇進直近3場所】
双羽黒 36勝9敗
豊昇龍 33勝12敗←やっぱりこれは引っかかる

【横綱昇進時での優勝回数】
双羽黒 0回←このまま引退
豊昇龍 2回

【新横綱場所成績】
双羽黒 3勝4敗8休
豊昇龍 5勝5敗5休←再出場はないだろう 

千代の富士のように新横綱場所休場→次場所優勝の前例だってあるのだが・・・。

豊昇龍、今後の横綱人生・相撲人生はどんな未来が待ち受けているのか.。
横綱になったがゆえに、何気に結構な分岐点に立たされたか。





豊昇龍を不徳と見るか、気長に待つか。 2025春場所9日目

 結びの一番、この結末は予想だにしていなかった。
この取組に関して言えば私は一山本を完全に「伏兵視」していて、まさか波乱が起きることはないであろうと見ていた。

しかしふたを開けてみれば、豊昇龍は張り差しをもろ手突きで封じられ、上手を取ろうにも一山本の左に跳ね上げられ、破れかぶれとも見えなくもない放った投げは、挑戦者のすくい投げを助長する結果になってしまい、惨敗・4敗・見るに堪えない。
一方の一山本、北海道出身力士としては、現在の某理事長以来、41年ぶりの金星と快挙を称えるネットニュースもあった。

興行上の体裁もあるだろうが、重い十字架を背負わされ、気の毒に思えなくもないが切り替えるしかないし、やるしかない。明日は宇良。これまたクセ者だ。

その一番前、大の里ー阿炎は寄り切って大の里。
今日はきっちり勝ってみせた。阿炎が大関を張ったその左で主導権を取ったかに見えたが、大の里は右差しとその「右肩」で圧力をかけ、寄り切った(昨日とは違って)内容がよかった、肩書を守った。
十日目の明日は一敗同士の大一番が組まれている(髙安戦)

元大関・朝乃山は本日5番目を戦い、元前頭の矢後を特に問題にせず寄り切りに下し、5連勝としている。

あわや番狂わせ!大の里、一敗守る 2025春場所8日目

 今日の大の里は勝つには勝ちましたが、内容がよくなかったですね。
立ち合いから一気に電車道で決めると思いきや攻め切れず引きに出る悪癖が顔をのぞかせた。一瞬で形勢が逆転して一山本が猛然と攻め込むも、土俵際すれすれのところでなんとか叩き込みが決まり、一敗を守った。

今場所の相撲を振り返ってみたが、負けた4日目の若元春戦以外はそんなに危なっかしい場面は見られなかったのだが、今日はどうしたことか。
明日から折り返しの後半戦。険しい山を登り切れるか、9日目の相手は阿炎。
対戦成績2勝3敗(この3敗は直近3場所での3連敗)と分が悪い。
気を引き締め直そう!

東前頭4枚目、元大関の髙安は、これまで相性が抜群にいい新横綱を見事に押し倒した。
豊昇龍のスピードと圧力に屈することなく、左を差した。この左差しが優位に働き、苦し紛れに横綱が引っ張り込もうとしたが、火に油を注ぐ結果となり、押し倒して元大関の勝ち。
この髙安も、中日を終わった時点で1敗と奮闘中。
だが、優勝となると過去の実績から「?」マークがつくし、まだその次元の話をするには早い。7日も残されている。

今場所の新幕下、話題の西51枚目・体重74.2㎏、芸人・小島よしお似の風貌を併せ持つ、山藤(やまとう)は城間(尾上)に押し倒されて4連敗で負け越し決定。やはりここまでくると壁が厚い。