春場所の活躍を受け、時疾風が参上致します!

 時疾風が自身幕内4場所目で初の勝ち越しを記録(幕尻・東18枚目)
千秋楽に元大関の霧島に敗れて10勝5敗に終わったが、最後まで優勝争いの一角として存在を示した。

獲得に至らなかったが、三賞候補にも名を連ねたほど。ここをもうちょっとつつけば、千秋楽取組前に出された条件として(優勝した場合)殊勲賞(15日目・霧島戦に勝てば)敢闘賞の可能性も残していた。

9日目から怒涛の6連勝を記録。
(目に留まった取組として)春場所を盛り上げ、互いにしのぎを削った美ノ海戦の休むことなく攻め続け、右上手を軸に寄り切った相撲。

(時疾風から見て)随分と体格差が感じられ、攻略まで持っていくのに手間がかかりそうな竜電戦で見せた、完全に胸が合いがっぷりからのすくい投げなんてよかったな。
流れの中から生まれたすくいなげとしか言いようがないが、小柄が大柄を切って落とした爽快な一番だった。

時津風の系譜を受け継ぐ東京農業大学卒。
今場所の活躍を足掛かりに、疾風怒濤の活躍といきますやら。
宮城県栗原市出身、28歳。

朝乃山、再び栄光に向かって

 1回目は自身の不祥事で、2回目は膝の大ケガで。
公傷制度廃止の憂き目にあって、7場所の大関在位経験者が、西三段目21枚目まで番付を下げた朝乃山の春場所は、7戦全勝の三段目優勝で見事6場所ぶりの再起を果たした。

プライドをかなぐり捨て、また帰ってきた朝乃山。
同じ北陸地方の出身・富山県の朝乃山に対して、隣県である石川県出身の炎鵬(同じ1994年生まれ・学年は朝乃山が1つ上)と大けがからの再起という意味では切磋琢磨しながら関取復活を目指す進行形同士である。

7戦、退けてきた顔ぶれを見渡せば、三段目って言ったって
5日目 碇潟(オヤジ・甲山親方、兄・若碇)
9日目 矢後(元・西前頭10枚目)
と有望力士と元関取をきっちり下している。

朝乃山はこう話したという。
「僕の膝よりも、炎鵬の首のけがの方が大変だと思う。それでも序ノ口から復帰している。僕も、誰かけがした力士の手本になるように、しっかりと活躍できれば」と。

揺るぎない信念のもと、再び立ち上がった31歳。
通算2度目の三段目優勝を手土産に、来場所は幕下上位へ再進出か。

7番相撲の千代大牙戦です↓↓↓

安青錦と美ノ海の奮闘も忘れてならぬ 2025春場所千秋楽

 3月場所の最終勝者は大関・大の里。
12勝3敗による優勝決定戦を制して、見事3度目の優勝を飾った。
勝った相撲でも、引きに頼ってギリギリ白星を挙げたりと、勝ち星ほどのいい印象は少なかったが、昨日から今日の決定戦を含めた3番は内容に修正が見られた。
優勝おめでとうございます!

しかし、本日の当ブログではその優勝劇よりも敢闘賞を受賞した2力士、春場所を最後まで盛り上げ、三役上位陣にも大健闘してみせた安青錦美ノ海をより焦点を当てて振り返りをしようと思う。
まずは、史上2番目に速い初土俵から10場所目で三賞の初受賞を果たした安青錦の楽日の相撲から。
これより三役の直後の王鵬戦に登場した。
関脇から圧力をかけられようとも低い体勢は崩れない。頭をつけて潜って寄りながら、自らの左足を王鵬の右太ももに密着させて裏返す感じで切り返した。

このキャリアでこれをやってのけるのはかなりの高等技術の持ち主だ。
今日で21歳を迎えた若者としては似つかわしくない感じの、真面目で謙虚、稽古熱心で何より相撲をよく知っていると強く思う。
今場所は(今後に必ず活きる)かなり濃厚ないい経験をしたのでは。改めて凄い原石だと感じました。

敢闘賞受賞はもう一人、31歳での初受賞となった(沖縄県出身力士でも初めてらしい)美ノ海はこちらも今日勝てば2ケタに白星到達の東関脇・大栄翔。
(大栄翔の)もろ手突きからかなりのプレッシャーがかかろうとも、右からバチーンと強くいなした。すかさず突っ張りを連射し、押し出した。安青錦と同じく11勝で今場所を終えた。

7勝1敗と絶好調の滑り出しを見せた。終盤に入り尊富士と阿炎に連敗して、疲れてるのかなぁ(今場所は)もう厳しいのかなぐらいに思っていたが、最後に3連勝をやってのけ(13日目以降の)対戦相手も玉鷲・髙安・大栄翔と実力者達をきっちりと沈めてみせた。おととしの11月場所新入幕以来、十両に陥落することなく、幕内9場所目でたどり着いた三賞受賞。来場所も嘉陽(新十両濃厚か)宮城らと「沖縄旋風」を巻き起こしてほしい。

またも髙安後退、4敗勢にもチャンス到来 2025春場所14日目

 高安は立ち合いからの流れはよかったが、美ノ海も簡単には屈しなかった。
それどころか押し返し、この一番に賭ける意気込み「引き立て役には終わらない」と言わんばかりの決意、メンタルでも決して負けていなかった。主導権は完全に美ノ海に移り、美ノ海の気迫に飲み込まれたのか引いてしまい、すかさず寄り切って美ノ海。
この瞬間、本日14日目での髙安優勝の目は消えた。

またしても厄介なことになった。やっぱりこういう運命・星の下に生まれたのかって思いたくないんだけど・・・。明日の対戦成績は阿炎。千秋楽まで幕内優勝争いは持ち込まれることになった。どうなってしまうのか!?

髙安の敗戦で取組前に相星になった大の里は、昨日、新鋭・安青錦に上位の奥深さを教えた大栄翔。
今日は良い大の里だった。ここ数日続いた「引き」が全く出なかった。師匠からかなり厳しく叱責を受けたはずだし、また自身でも意識を強く持っていたはずだ。格の違いすら見せたと言ってもいいくらいの圧勝。こういう相撲を見たかった。

安青錦は4敗決戦で尊富士と。好成績で今場所を走ってきた両雄で熱戦を期待したが、相撲はあっさりと決着。尊富士の引きに乗じて一気呵成に寄り切り。常に上体が低いし、安易な引きは簡単に食わないだろう、安青錦は。明日は王鵬と割が発表された。何かしらの三賞受賞が予想される。いや、幕内優勝だって可能性が消えた訳ではない。

14日目を終えて、優勝争いの整理・確認。

3敗 髙安
   大の里

4敗 美ノ海
   安青錦
   時疾風

3月春場所を制するのは大関か平幕か。

昨日までの3敗力士が揃って負けた日 2025春場所13日目

 頑張れ、安青錦!
最終盤・13日目の今日は、大抜擢、結び前の前で関脇・大栄翔戦。
蓋を開けてみれば、いつもの安青錦スタイルで食い下がる姿勢を見せたものの、大栄翔は豊富な経験値で安青錦の動きをよく見ていた。大一番で慌てふためくことなく、掌の上で転がしたような。決まり手・はたき込みで大栄翔に凱歌が上がった。
安青錦残念でならなかったが、あと2番ある。気持ちを切らさず勝ち星と評価を上げたい。

今度こそ初の栄冠なるか、髙安は若元春。
四つ相撲で渡り合うのかと思いきや、突き押しで勝負。ズバリ作戦が決まり、快勝。
昨日今日落ち着いてると思う。プレッシャーに飲み込まれてふわふわしているようには見えない。一日一善の精神でいこう!
明日は今場所大健闘している4敗の美ノ海。

大関・大の里は、昨日3連敗で負け越しが決まってしまった王鵬。
今場所ここまでの勢い・印象・星の差から大の里有利は動かないと思っていたが、王鵬が大関の右差しをものともせず、意を決したかのような突っ張り、それを大の里は棒立ちであてがうのが精一杯。どうにもならなくなって悪癖の引きが出てしまう始末。全てが後手後手、押し出しで敗れた4敗目は自ら11勝目を破棄したかのように見えなくもなかった。明日は大栄翔戦。屈辱を取り戻せるか!?

またまた40歳が優勝賜杯を手繰り寄せるか3敗の一角・玉鷲は好調・美ノ海戦。
積極的に攻めていったのは美ノ海。玉鷲に小手に振られても動じない。攻め立てて土俵際まで追い詰め一度は玉鷲も持ち堪えたが、頭をつけながら押し出し、玉鷲を4敗へ引きずり落とした。2連敗していた美ノ海、意気消沈することなく立派な相撲っぷりだった。

明日、髙安が勝って、大の里が負ければ髙安初優勝成る、が・・・。