2大関の明暗 2025初場所3日目

 今場所は2名の大関が、綱取りをかけている。

横綱昇進条件

品格・力量が抜群であること、大関で二場所連続優勝、またはこれに準ずる好成績を挙げることが条件

これに当てはまるのが、先場所14勝を挙げ優勝した琴櫻と相星決戦で敗れ13勝の準優勝だった豊昇龍。
昨日の3日目はこの両雄、相撲内容にかなり開きがあった。

完勝・豊昇龍

「強敵」「実力者」(対戦成績)分の悪い若隆景に、立ち合いから矢継ぎ早に突っ張りを繰り出し(距離を作り)突き出した。今場所ここまではとてもいい出だし(3連勝)先場所のように場所を牽引するような存在であってほしい、気持ちを切らさずに。
(失礼だが)前半(序盤)に取りこぼす印象があるので。

惜敗・琴櫻

最初(立ち合い)から不利な体勢(翔猿に)頭をつけられ、左から強引に小手を振る嫌な感じ(琴櫻)離れて突き合いになり、(琴櫻)左をねじ込み(翔猿の)右を不能にし、チャンスと見たのか一気に勝負に出て(廻しも取らないまま)土俵際の逆転を食らった(引き落とし)

(一気に出たのは)やはり「もう取りこぼしは許されない」「負けられない」という気持ちからか。それが焦りになり、詰めを誤り「負」に転じたか。痛すぎる2敗であった。
先行きが厳しいか。

今日の4日目(このあと)
豊昇龍は隆の勝
琴櫻は霧島
と組まれている。

炎鵬、再起への道 2025年初場所編

 炎鵬、再起ロード4場所目。
脊髄損傷から立ち上がり、東三段目4枚目まで再浮上してきた。
その1番相撲が昨日あった。

昨日の時点で結果はわかっていたが、対戦相手がかなりの大物であることを知り驚いた。
元プロ野球選手(巨人とメジャーで大活躍した)松井秀喜氏の遠縁だというのだ。
西三段目3枚目・豊雅将と書いて(ほうがしょう)と読む。某親方と勘違いしそうでややこしい。時津風部屋所属
本人(豊雅将)の画像です↓↓↓

いや~、ビックリしました!

で、取組内容と勝敗は以下の通り

179㎝・181㎏のゴジラの親戚にあえなく吹っ飛ばされた。
この豊雅将も将来有望でしょうか。

さて、このあとどんな道のりを歩んでいくのだろうか(炎鵬)

今日も炎鵬は出場。
東大卒力士・須山との対戦を控える(まもなく)

番付的に3場所前に序ノ口優勝を争った清水海との対戦も今場所あるかもしれない。

神崎は豪刃雄になっていた

 先程の取組から。
チャンネルを(相撲中継に)回せば、大柄な力士が対戦相手の対戦相手の両腕をギューッと極めて攻め立てていた。そのまま極め出して勝負あり。

勝ったのは豪刃雄(ごうじんゆう)
豪刃雄??

ピンとこなかったので、調べれば昨年7月まで「神崎」で取っていたあの力士だと判明。
5歳から相撲を始め、ずっと小・中・高・大学でアマチュア大会で実績を上げてきたあのエリート力士。

3年前の春場所に三段目付出でデビュー。
すぐに幕下上位まで番付を上げてきたが少し足踏みが続いている。
189㎝・152㎏の立派な体格を活かしてこの壁を打ち破ってほしい。

現在、所属力士12名を数える元大関・豪栄道師匠の武隈部屋。
12名のうち
9名が「豪」の字
3名が「隈」の字
の内訳。

徐々に部屋のカラーが出てきた。

頑張れ豪刃雄!
頑張れ武隈部屋!!




安青錦と若碇・弟のデビュー戦、横綱大関2名が黒星発進

 注目のウクライナ出身・安青錦(安治川)
先場所の新十両での2ケタ勝利(10勝)をフロックでなかったと証明したい。
初日は志摩ノ海(木瀬・逆鉾の娘婿)
今日は押し相撲を選択した安青錦。引きのような(いなし)からスパッと左上手。
頭をつけ距離を置き(相手に)何もさせずに押し出して完勝。
解説の甲山親方(若碇・父)も「前傾姿勢」がよかったと褒め称えていた。
私は今場所で一気に次のステージ(新入幕)へと歩を進めてもらいたいと強く思っている。
明日は友風(シルバーの廻し)

上述した甲山親方の次男(若碇の弟)本名・斉藤忠剛が四股名を「碇潟(いかりがた)」として初日よりデビュー(三段目最下位付出)序二段筆頭の関塚(田子ノ浦)を難なく押し出しに破って白星発進した。
※この四股名、京都相撲の強豪として知られ1900年代初頭に活躍した力士から付けたようである。
注目力士として今後も押さえておきたい。
動画を貼りつけました。

3場所ぶりに復帰した横綱・照ノ富士。
若隆景の肩透かしにあっけなく敗れ、初日黒星スタート。
まぁ、若隆景を褒めるべきか(事前の作戦通りにだったか)
明日は(対戦成績で分が悪い)隆の勝。
プレッシャーが半端でないと思うが、横綱相撲を見せられるか。

大の里も初日躓いてしまった。
どうしたのだろうか。
翔猿に合わせてしまったのか、つき合わされたのか。
後出しで言うのも悪いが、もう少し(大関として)どっしりとした相撲が見たかった。
あっさりと引き落としを食ってしまった。
ここからどう立て直すか。

「鋼」なしにいられない by音羽山

 鋼 一幸

 相撲部屋にはだいたいどこの部屋でも「ちゃんこ長」と呼ばれる幕下以下で相撲経験の長い力士=ちゃんこ番をやった回数・その優れた腕(料理技術)を持つ者がいる。ここで身に付けた調理の技術を活かして、引退後にちゃんこ料理屋を開業する者も多くいるのは周知の事実だ。それに加えて人柄・人間性が評価されれば、明確な肩書こそないが、新しく入門してくる新弟子の「教育係」的な役割も担わされる。

第71代横綱・鶴竜でさえも取得困難な年寄株をやっとの思いで「音羽山」襲名と同時に部屋を興すことができたのが、おととし2023年年末のこと。
現在は陸奥部屋から移籍してきた元大関(初場所・西前頭筆頭)の霧島を始めに、6名の所属力士を数える。
なかでも、親方(鶴竜)の井筒部屋入門(新弟子)から引退までずっとそばに寄り添い、負けては(取組の)相談にのり、ちゃんこ長として鶴竜に細かく気配りするなど、長年の間、全幅の信頼を置かれているのがこの大ベテラン「」である。

その鋼の現役生活の略歴

15代井筒時代に入門(2000年3月場所、当時18歳高卒)今なお「逆鉾魂」を受け継いでいる。アマチュアでの相撲経験はないようだ。
2003年3月場所から井筒部屋に由緒ある四股名「鶴嶺山」を襲名。
部屋の大きな期待を集めたが、ここまでの最高位は東幕下16枚目(2005年11月場所)
自ら「『鶴嶺山』なんて顔じゃない」とばかり2011年7月から現在の四股名である「鋼(はがね)」に改名。
師匠や後援者から付けられたものかと思いきや、自分で考えて決めただそうで「鍛えることでいろんな形になったり切れ味を増す鋼のように、気持ちが折れてもまた一から鍛え直して研ぎ澄ませばいい」との思いが込められたセンスや機知に富んだ粋(いき)な四股名だ。

初場所は東三段目29枚目(三段目20枚目台以上に番付されるのは)ちょうど5年ぶりとなる。現在3場所連続勝ち越し中。ベテランの味を見せつけることができるか。

(現在43歳という年齢から)僭越ながらこの好漢に、引退後「若者頭」や「世話人」といった協会の(縁の下の力持ち的な)要職(ポスト)を与えることはできないのであろうか。