大関・貴景勝が引っ張る初場所・8日目

 令和5年初場所、中日8日目。
星の潰し合い続く。1敗から2敗へと後退した力士もいた模様。
今日も独自の視点でお伝えいたします。

1敗力士の一人、大関・貴景勝は激しい突っ張りや張り手、頭からの立ち合いなどを受け、口や鼻から流血が見られる日が多く見られるが、横綱不在の最上位で連日奮闘している。
今日の対戦相手は、2日連続の伊勢ヶ濱部屋からの刺客、錦富士。
激しいあたりを交えながら、突き押す、突き放す、貴景勝。いなす隙をついて、錦富士逆襲。土俵際まで追い詰めるも、貴景勝のはたき込みが決まり、1敗守る。

関脇・豊昇龍は、前頭4枚目佐田の海との一番。
立ち合い右に変わり上手を取り、ヒョイとばかりに佐田の海を送り倒し。1秒6。

大関復帰へ向け、もう後がない正代。今日は若元春を相手に決死の対決。
一気の寄り、勝負を決めにかかる正代。決められず小手に振ったところを寄り切られた。
腰も伸びきってるというか、あまり入っておらず、力が伝わってない感じだった。
6敗目となり、大関復帰は幻となった。

翔猿相撲、今日も慌ただしい。
小結四天王の一角、琴ノ若との一番。
左差しの翔猿、小手投げで崩しにかかる琴ノ若。これがすっぽ抜けて、翔猿くるりと回る。
互いの動きを牽制しあう中、翔猿の右足が琴ノ若の右足を襲い、蹴返しで勝利!場内大歓声に包まれた。

幕内1敗は、貴景勝と琴勝峰。中日終わって、折り返し。ここからが勝負だ。

~これより十両~

ここまで、7戦全勝と無人の荒野を行く、元大関・朝乃山。
給金相撲となった今日の対戦相手は武隈部屋・豪ノ山。
この一番は動画で。

豪ノ山、朝乃山に十分抵抗して盛り上げてくれたが、小手投げに屈した。でも今後に期待!
朝乃山、8連勝として明日は北の若。

朝乃山を追う1敗の金峰山、立ち合いから大奄美に押し込まれるも慌てる様子がない。
大奄美の脇の辺りをはず押しで突き落とした。落ち着き払い、堂々としているさまがいい。

8日目終わった今日も、十両は2強で推移している。

翠富士、敗れるも果敢に大関に挑んだ敢闘精神・7日目

 初場所は7日目を迎えた。
昨日の時点で早くも全勝がいなくなり、混戦の様相を呈してきた。
また、元関脇隠岐の海の引退が発表された。
悲喜こもごもの7日目をレポートする。

優勝争いのキーマンとも言える2人の対戦、阿炎‐豊昇龍から。
もろ手突きのど輪で一気に勝負を決めにかかる阿炎の右をタイミングよくたぐり、瞬時に形勢逆転した豊昇龍が寄り切りで勝利!連敗を2で脱出して、8日目は佐田の海との一戦を控える。

連日館内を沸かせている一人、翠富士は大関貴景勝への挑戦だ。
大関、迫力ある突き押しで優位に立つが、翠富士も張り手で応戦。
両者張り手の応酬のあと、がむしゃらに前に出る翠富士を、やや強引気味の小手投げが決まり1敗守る。(いい意味での)闘志がむき出しになった、熱い一番だった。

大関復帰を目指す正代、苦しい状況が続く中での7日目の対戦相手は玉鷲。
いいところなく突き出しで敗れた。残す足、意志もない。(5敗目で)後がない。
右足痛い説もあるようだが、実際のところは…。明日は若元春。

琴ノ若は、若元春を一気に寄り切り(電車道)で復調ぎみの3連勝。

若隆景‐錦富士、若隆景スピード決着を狙うも錦富士のはたき込みにバッタリ。
結果論になるが、攻め急ぎがあだとなったか。錦富士には余裕があった。

~これより十両~

今日の朝乃山、西11枚目の島津海との対戦。
朝乃山の左上手早い。引きつけの圧力強く、最後はすくい投げで朝乃山7連勝。

昨日(6日目)、朝乃山を大いに苦しめた狼雅。千代の国との一番。
前回し、いいところを取ったが、千代の国が(自身の)体を引く感じのはたき込みが決まり、2敗目。

ジワジワと星を伸ばしている東5枚目の金峰山は北の若戦。
突っ張り突っ張り、腕を伸ばして、腰を落として、突き出して6勝目を飾った。

全勝の朝乃山に、金峰山が1敗で追う展開だ。

貴景勝、大関の意地見せた!全勝消える・6日目

大相撲初場所は、序盤の5日が過ぎて、中盤に入り6日目を迎えた。
ダイジェストにいく前に、今日も2力士の休場が発表された。
関脇髙安と西12枚目の隠岐の海である。
髙安はやはり万全ではなかったか。

結びの一番で、5連勝と突っ走る阿炎に、横綱不在の最上位を守る大関・貴景勝の一番。
阿炎ののど輪をいなし、気迫のこもった突き押しで阿炎を押し出し、全勝から引きずり落した。阿炎の明日は豊昇龍、貴景勝は翠富士。いずれも好取組が組まれた。


関脇・豊昇龍は、翠富士と。
先場所11勝の豊昇龍、大関取りへ向け、足場を強固にしたい今場所である。
もろ差しとなる翠富士、極めて出る豊昇龍、こらえる翠富士。
右の下手ねじ込む豊、許さない翠。寄って勝負に出る豊昇龍を逆転の突き落とし翠富士。
物言いつくも、軍配通りで翠富士の勝ち。豊昇龍は連敗。

今日のNHKは、きょうはとことん行司デーと題して中継していた。
伊之助の裁きは「軍配通り」で決着。立行司の威信を守った、あっぱれ!

関取に陥落、大関復帰の目途となる2ケタ・10勝に乗せたい正代は、猿のごとく速い動きでかき回したい翔猿戦。
立ち合い、突き押しから右に左に動く翔猿。正代も動じることなく(翔猿を)よく見て押し出し。

霧馬山‐大栄翔は、大栄翔の激しい突き押しで押し出し。
連日、上位相手に臆することなく繰り出される突っ張りは、迫力満点である。

先場所10勝を上げ、更なる活躍が期待される王鵬は元気なく6連敗。
向正面解説の春日山親方(元・勢、6月4日引退相撲)も、精彩のなさを心配していた、俺も心配している。

~これより十両~

注目の全勝対決、狼雅に朝乃山。
朝乃山左上手から寄る、狼雅に切られながらも寄る。逆に上手を取られながらも寄る。
引きつけて寄って出る狼雅の上手切れる。引き直すも1枚廻し。威力が弱くなったところを、朝乃山寄り切って全勝守る。1分近くの大相撲。
一方敗れた狼雅は、今場所の好調ぶりを裏付けるかのようなに、元大関に対して大善戦。今後も楽しみな存在だ。
激励の意味を込めて、狼雅の画像と動画を貼り付けた。

熱海富士は大奄美にじっくりと勝機を伺いながら、我慢の相撲で白星を掴んだ。
炎鵬は金峰山の突っ張りを浴びながらも、右をたぐったが、フレーム違いの圧力に、突き倒しで屈した。2敗に後退。

番外編となるが、東幕下筆頭の玉正鳳(玉鷲の義弟)が十両最初の一番に登場。
白鷹山に送り出して勝ち、3勝1敗とし、悲願の十両昇進へリーチをかけた。
こちらも頑張れ、玉正鳳!

阿炎の気迫、狼雅の覚醒・5日目

初場所5日目。
昨日の取組直後に、肩を痛めた様子の元大関・栃ノ心が残念ながら「左肩関節脱臼」と診断され、今日から休場。同じく4日目の取組直後、小指の辺り、指先を気にしていた宝富士が不戦勝の勝ち名乗り。皮肉なもんだなぁと、この現実を恨んだ。

5日目のあれこれ

今場所も大健闘の阿炎、今日は関脇・若隆景との対戦が組まれた。
立ち合い、右のもろ手が若隆景の左耳の後ろ辺りを直撃し、力なくフラフラッとして、阿炎が突き出して勝った。
耳の裏側にある乳様突起(にゅうようとっき)というのでしょうか。
例えばボクシングなんかでも、急所のひとつとされており、ダメージを蓄積することがあるそうです。序盤戦、阿炎は5連勝で乗り越え、更なる高みに挑む。

もう一人の注目力士、豊昇龍は前頭筆頭の大栄翔(追手風)との一番。
左の張り手、豊昇龍。少し後退しながらも突き返す大栄翔。腰を落としながら圧力を与え続けて、ついに豊昇龍を突き倒しに破る。気迫とともに冷静さを兼ね備えた心の持ちようが勝負を分けたか。

霧馬山に翔猿は、翔猿の注文相撲だった。突き落としでこの一番をものにし、まんまとはまった霧馬山は3勝2敗。たまにやるんだよなぁー、翔猿。

きのう初日の出た若元春、今日は元大関で、今場所前頭2枚目の御嶽海との一戦。
立ち合い、左差しから一気呵成に勝負を決めにかかる御嶽海。残した若元春は右上手を引きつけ寄り切り。若元春の序盤戦(今日を含む)5番を振り返ると、黒星ひとつ先行しているが、内容的にはそんなに悪くないと(個人的に)思う。これからの巻き返しに期待したい。

相撲巧者・翠富士、今日も見せてくれた。
ベテラン36歳妙義龍にもろ差しになるも、極められて動きがとれない翠富士。妙義龍の寄りに乗じて右下手で投げるというより振る。また10秒ぐらい動きが無くなったあと、翠富士が左手で妙義龍の右ひざ上辺りを払い、内無双、鮮やかに決まる。ご覧あれ。

~これより十両~

朝乃山の5日目、浅香山部屋の部屋頭・魁勝との一番。
朝乃山、左上手から寄って勝負を決めにかかる。下手投げを打ちながらこらえる魁勝。
引きつけあいの中で、魁勝の右ひざがカクンと入るような形になり、力強い浴びせ倒しが決まった。

十両2場所目、今場所ここまで4連勝の狼雅は、沖縄出身・美ノ海と。
左前回し引いての寄り切り。5連勝、目覚ましい。
ツイッターにも狼雅、覚醒中。と私は呟いてしまった。

炎鵬、今日はとったりで相手を転がし、4勝1敗と好調な出だし。

                       顔を覚えてください➡
           元大関・雅山の二子山部屋初の関取・狼雅です!  

充実の阿炎と豊昇龍、一方ケガ人も出た・4日目

 両国まで赴き、2階席で現地観戦してきました。
有力力士が白星を積み上げた一方で、ケガ人も・・・?。
4日目の報告である。

先場所優勝の阿炎に、先場所まで大関に君臨していた正代の対決。
もろ手突きからののど輪連発で、阿炎が難無く4連勝。
勢いが違う、意識が違う。

豊昇龍は、こちらも3連勝のジェントルマン玉鷲。
頭で当たって立ち合いは玉鷲だったが、豊昇龍が左を差し、もろ差しになって寄り切り快勝!
挽回の余地、付け入る隙を与えなかった。

髙安は翔猿を突き出し (速い相撲)
若元春は明生を押し出し(速い相撲)
注目・話題の2力士に初日が出てスッキリ!

霧馬山‐琴ノ若の小結対決。
左ののど輪霧馬山、右四つ左上手十分の霧馬山、その霧の上手を切った琴ノ若が勝負に出る。土俵際、投げの打ち合いはすくい投げの霧馬山が勝った(まさった)琴ノ若4連敗。

栃ノ心と宝富士に異変が

琴勝峰との一番で、寄り切られて土俵を割った直後に左肩の辺りに指先をあて、左腕をくの字に曲げ、右手で支えていた栃ノ心。その姿はまるで、脱臼癖に苦しんだあの千代の富士と重なった。
大事に至らない事を祈るが・・・。

幕内最初の一番は宝富士と水戸龍。
のど輪で攻め込む水戸龍。そののど輪をたぐり気味に外し、水戸龍がぶちかましてきた時に何か痛みを感じたのか、相撲を止めてしまった。勝負は押し出して水戸龍。明日以降の影響がないか、こちらも心配だ。

~これより十両~

今日も朝乃山の完勝である。對馬洋を寄り切り4連勝!
1日ずつ関取としての土俵の感覚が戻ってきているか。

炎鵬は荒篤山に右に変わりぎみの立ち合いから、下に潜るような形で中に入り、寄り切り3勝1敗。

東9枚目・ロシア出身の狼雅、3連勝で迎える相手は先々場所、新十両で優勝を遂げた栃武蔵との一番。
狼雅がすぐ上手を取る(左)栃武蔵、苦し紛れの巻き替えに出たところを寄り切り狼雅。
相撲が安定している、4連勝。

~現地観戦を終えて~

現地で見ていて、いろんな規制が解除された。
声出しもOK、飲食もできた。修学旅行生も帰ってきた。外国人客も多数来場。
筆者の買物は、ちゃんこ鍋1杯と、相撲あんぱん。
お土産はあんみつ。
酒・アルコールは、迷った末に止めといた。

名物「国技館焼き鳥」は、製造工場の従業員寮で、新型コロナウイルスのクラスターが発生したらしく、これにより作業できない状況とかで販売中止となっていた…。残念。

4日目、前半戦の週の真ん中でも客足が戻ってきた。
楽しかった、また行こう!