再十両の偉人 若隆景と北磻磨

 苦労人2人が再十両として顔を揃える。
西10枚目に若隆景(荒汐)、東14枚目に北磻磨。

~若隆景の苦労の足跡~

ちょうど1年前の春場所、関脇6場所連続になるこの場所、2ケタ勝利を続けていた訳ではないが、近い将来の大関候補・期待したい存在では間違えなくあった。
この春場所前に高砂部屋に行き、朝乃山との稽古で左脇腹付近を痛めたらしく、この怪我の影響で10日間稽古を休み、ほぼぶっつけ本番で臨むこととなった。
案の定5連敗スタートとなったが、6日目から4連勝と盛り返し、6勝6敗で迎えた13日目の琴ノ若戦に悲劇が起きる。
取り直しになったこの一番、最初(本割り)の相撲で土俵際の投げの打ち合いの際に右膝を痛めたそうだ。
取り直しの一番では、琴ノ若の叩きに乗じて一気に寄り切り、勝利したのは若隆景だった。
しかし、翌14日目には「右前十字じん帯損傷、右外側半月板損傷、骨挫傷、右外側側副じん帯損傷で3か月程度の療養を要する」との診断書を提出して途中休場することとなった。師匠の荒汐は「歩けないぐらいの状態」と言うぐらいの大ケガだった。

これがその時の相撲(取り直しの一番も含めて)↓↓↓

3場所連続全休=全敗扱いとなり番付は急降下。
手術・リハビリを経て、再起する頃には(去年11月場所)には「関取」の座も失っており、東幕下6枚目から出直すも5勝2敗。相撲(実戦)の勘を少し取り戻し、今年初場所には幕下優勝。文句なしの関取復帰を決めた。

大関を見据えようかというところで大ケガをした訳だがまだ29歳。
若隆景の復活劇、というか相撲人生第2章となる春場所が楽しみである。

~37歳6ヶ月、9度目の十両昇進~

北磻磨に敬意を表する。
ずーっと彼の苦労と向き合い、着目してきたわけではないが、近年の星取を照らし合わせると去年の5月(東幕下28枚目・2勝5敗)と7月(西幕下49枚目・3勝4敗)の連続負け越しで三段目に落ちた時には、失礼だが「これまでかな」と思ったことを否定しない。
ここから三段目優勝(7戦全勝)・翌場所の東幕下11枚目で6勝1敗(7番相撲を落としたのみで6連勝と突っ走った)のだから凄い・偉い・感動もの!
戦後2位の高齢記録(再十両の)史上最多タイとなる9度目の十両昇進となる春場所を前に
「何回も諦めずにきたからこそですから、自分らしい記録」と言い
今後の目標を「ただ幕内に上がることではなく、幕内で“大活躍”です」と力強く語ったという北磻磨。

稽古は噓をつかない。
北磻磨の土俵戦歴がそのことを立証している。
ここまで培ってきた経験と戦術で小兵・軽量のハンデを苦にしない大ベテランの活躍を願ってやまない。

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