玉鷲、幕内優勝を引き寄せた日頃の鍛錬とは

 玉鷲の優勝に終わった秋場所。

年齢を感じさせない、スピードあふれる取り口は、益々、今後の活躍を予感させた。

そんな玉鷲、所属する片男波部屋に所属する力士が現在4名しかおらず、故にアイデアあふれる稽古を積み重ねている。

(代表的なものが)玉鷲に対し、2人の力士が相撲を取り、番数をこなしている。
正面から2人・正面と右側1人ずつ・正面と後方1人ずつの3パターン。

片男波親方はこの稽古の目的を「どんな体勢からでも、反撃できるように」と話す。

動画を貼る。この中に上述のようなものは入ってないようだが。 長編になります。

この言葉と、九月場所の15日間を振り返ると、何よりスピードが磨かれ、土俵際に後退しても、動じない(心なしか)少しの余裕すら感じた(10日目・御嶽海戦)

勝った瞬間の気持ち 「やったぞ」
優勝を意識したのは 「三日前」
家族へはどんな思いか「早く会いたい」

「家族のために戦う」

この言葉を胸に、鉄人・玉鷲は、来場所以降も若手の壁になって立ちはだかり続ける。


ヨッ、玉鷲!!↓↓↓

玉鷲2敗、髙安3敗守る13日目

  完全に幕内力士に絞られた優勝争い、今日の動きを紹介する。

2敗に後退したが、トップを走り続ける玉鷲、3敗の錦富士との取組。
立ち合い低く当たる錦富士を玉鷲が左手で錦富士の首あたりを強烈に抑え込む、錦富士も玉鷲の左足にしがみつき堪えるも、突き落としが決まる。直後の玉鷲は両目を閉じ、ため息をついた。相撲内容に納得がいかなかったか。
明日の玉鷲、翔猿と。敗れた錦富士は貴景勝と。

髙安‐霧馬山
髙安、右かちあげから突っ張る。次の瞬間に鮮やかな突き落としが決まり、3敗守る。
一方、3大関を破り場所を盛り上げてる一人、霧馬山は未だ勝ち越し決められず、7勝6敗。
明日の対戦相手、髙安は豊昇龍戦、霧馬山は宇良戦。

3敗の北勝富士は、こちらも3敗翔猿との一番。
北勝富士、左に変わり突き落とし!狙ってたか。
相手は違うが、昨日食らった技を、今日、再現して勝ったことになる。これも相撲か。
明日の北勝富士は若隆景、翔猿は玉鷲戦が組まれている。

貴景勝も(昨日の)因果応報と言っては言い過ぎだが、若隆景にあっさりはたき込まれた。
負け越してる大関同士の一戦は、正代が御嶽海を押し出した。北の富士氏も「御嶽海は戦意を失くしてる」とバッサリ。肩の辺りを気にしてるような・・・。
若元春、大栄翔をはたき込み、物言いつくも軍配通り。若元春勝ち越し。

13日目を終えて、
2敗 玉鷲
3敗 髙安・北勝富士
4敗 若隆景・翔猿・錦富士・竜電
明日、玉鷲勝って、髙安と北勝富士が負けると玉鷲優勝となる。

十両は、
栃武蔵、今日も東白龍を寄り切って勝ち、2敗を守った。
北青鵬が欧勝馬に、肩越しの右上手を取り、そのまま寄り切りでこちらは4敗守る。
輝は金峰山に押し出しで敗れ、5敗に後退。
熱海富士は北の若に、もろ差しを許したのちに上手投げで黒星。勝ち越しお預け。引き上げた花道奥で、部屋付きの安治川親方からアドバイスを受けていた。この光景、連日見てる気がする(たまたまなんだろうけど)

十両の優勝争いは、
2敗 (新十両)栃武蔵
4敗 北青鵬
となっている。明日、栃武蔵が勝って一発で優勝を決められるか。

朝乃山の7番相撲が、千秋楽に決まったようだ。

宇良、20年ぶりの伝え反り炸裂!4日目

大関・貴景勝が前頭2枚目琴ノ若に勝った。
立ち合いから突き押しの展開、途中から貴景勝が強烈な張り手を何発も繰り出し、右のど輪からの押し出し。1敗を守る。

残る2人の大関は御嶽海が翔猿に、正代も玉鷲に相次いで敗れた。

照ノ富士戦同様、自ら積極的に立ち合いから突っ張り、流れの中で四つへ。頭を付けながら、最後はもろ差しの形となり、寄り切った。

玉鷲は右のど輪から一気に前へ、最後は左のど輪で押し出し4連勝。
正代はいいところなく、3連敗で1勝3敗。

注目のモンゴル対決、豊昇龍‐霧馬山は、立ち合い豊昇龍が右に変化し、右上手を引く。
この右上手と左のど輪で一気に霧馬山を寄り切りに破り、幕内通算100勝となった。

宇良が今日も珍しい決まり手を繰り出した!

前頭3枚目の宇良が、同5枚目の実力者・宝富士を「伝え反り(つたえぞり)」という珍手で勝った。今場所151㎏まで増量した宇良が今日も魅せてくれた!

立ち合いからの攻防の中、宇良が引きにいった次の瞬間に、宝富士の左腕をぐるっとくぐるような感じとなり、宇良自身の上体をあずけ、もたれかかり、勝負を決めた。

調べたところ
※伝え反りとは・・・相手のワキの下をくぐり抜けながら後ろに反る技 とあった。

幕内では2002年秋場所の朝青龍‐貴ノ浪戦以来20年ぶりとなった(朝青龍の勝ち)

過去の大ケガ、右ヒザのぶ厚く大きいサポーターを見ると、心配や不安もよぎるが、それでも珍手・大技を繰り出す宇良から相撲の醍醐味を教わっている気がする。

四日目を終えて、
幕内全勝は玉鷲・若元春・北勝富士・王鵬の4人。
十両全勝は美ノ海・千代栄・栃武蔵(新十両)と続いている。

技のデパート健在↓↓↓


ざんばら髪の新十両、金峰山の15日間

 9月場所、新十両に栃武蔵(春日野)と金峰山(木瀬)の2人誕生したが、ここでは、日大から三段目格付出でデビュー、所要6場所で十両に駆け上がった金峰山(きんぼうざん)を紹介する。

1997年6月24日、カザフスタン・アルマトイ州生まれの25歳。
本名は、バルタグル・イェルシン。

なんと元横綱・朝青龍の紹介で、18歳時に来日。現・目黒日本大学高校に編入学、相撲を始める。日大に進学し3年次あたりから、輝かしい実績を残し、角界入り。木瀬部屋入門。

初土俵となる2021年九州場所では、7戦全勝でいきなりの三段目優勝を果たした。
新幕下で迎えた今年初場所を5勝2敗、翌春場所を7戦全勝で幕下優勝、夏場所5勝2敗、名古屋場所、西幕下筆頭で6勝1敗と文句なしの十両昇進を決めた。

柔軟な取り口を見せる。
立ち合い、突き押しを見せたかと思えば、ガッチリ左上手を引き付けての四つ相撲。豪快な投げ技もある。

~秋場所・金峰山の立ち合い~

突っ張り 欧勝馬・豪ノ山・貴健斗・栃丸・北の若・大奄美・魁勝・千代栄・荒篤山・輝・東白龍

四つ 北青鵬・大翔鵬(左上手取られた)・島津海・栃武蔵

と、今場所の立ち合いに関しては、突っ張る傾向が多かったようだが、本人曰く「相撲は何とかなったら、何とかしないといけない。どっちでもいけるようにしている」と柔軟で臨機応変なスタンスを持っている。

新十両で迎えた秋場所は、10勝5敗と素晴らしい成績を上げた。
来場所は十両7枚目辺りか。

四股名の由来は、師匠の元幕内・肥後ノ海の故郷、熊本県にある山だそうだ(標高665m)
因みに全く同じ字を書き、山梨と長野に跨る金峰山は、山梨では(きんぷさん)長野では(きんぽうざん)と読むらしい。

身長191㎝・体重165㎏と恵まれすぎるほどの体格に、プロの土俵であらゆる土俵経験を積んだ時、どんなスケールを兼ね備えた力士へと変貌を遂げるのか、今から楽しみである。

金峰山!!↓↓↓

9日目 横綱大関4力士、今日も全員敗れる!

 一体、どうなっているのやら…。
この事態はさすがに史上初の不名誉らしい。

結びの横綱照ノ富士は、好調・髙安との対戦。
お互い頭を付けあい様子を見る。
お互い引きに出るも、勝負に至らず。
今度は照ノ富士が足を飛ばし、蹴返しにいきながら引いたところにつけこみ、髙安が寄り切った。 直後にそーっと歩きながら東方に戻るその姿に、明日以降の出場が危ぶまれる気がしてならない。
照ノ富士、明日は大栄翔。 髙安は全勝の北勝富士との一番が組まれている。

大栄翔‐御嶽海は、大栄翔が立ち合いから突いて出る。御嶽海は下からあてがうだけで、あっさり土俵を割った。
かど番大関御嶽海は、6敗目で明日の対戦相手が1敗の玉鷲。苦しい道のりが続く。

東大関貴景勝は霧馬山との対戦。
すぐに左前みつを引いた霧馬山。右も(前回し)を引き、もろ差しになった霧馬山を、左から振り回す形で抵抗するも、寄り倒しに敗れた。
霧馬山は、横綱大関との対戦が終わり(3勝1敗と大健闘)、10日目は翔猿と。
面白そうな一番だ。

1勝7敗の大関正代は宇良戦を迎えた。
常に上体が低く、前傾姿勢が宇良が寄っていき、土俵際の反動を利用したかのような引き落としが決まり、正代、早くも負け越す。
休場や不戦敗を含まない9日目での大関負け越しは、15日制になってからは初めてだそうだ。 NHK解説の舞の海氏からも厳しい指摘があった。

玉鷲、あの貴闘力を抜き通算連続出場歴代3位となったこの日も、文句なしの素晴らしい相撲で記録に花を添えた。
北勝富士、今日も充実したいい相撲。最後、若元春を叩きつけるかのような押し倒しで全勝守る。
翠富士、負けはしたが先場所優勝の逸ノ城に食い下がった。最後は両上手の逸ノ城が寄り切り。2分45秒の大相撲。体重差98㎏。重かったろうなぁ。。。

十両は、2敗同士の一番栃武蔵‐美ノ海。
美ノ海、左前回しいい所引くも、栃武蔵も左上手。
すぐさまここからの上手投げで、栃武蔵2敗を守った。

1敗の北青鵬、今日は千代栄との一番。
立ち合い右上手も肩越しからで、遠くてやや強引か。それでも右上手と左差しで千代栄を寄り切りこちらも1敗を守った。

また、元大関で東幕下15枚目の朝乃山は、高田川部屋の湘南乃海と全勝対決。
先に湘南乃海が右上手を引くも、朝乃山の出足の圧力に対して、咄嗟に引いてしまい寄り切られた。

大相撲九日目を終わり、幕内
全勝 北勝富士
1敗 玉鷲
2敗 髙安・千代翔馬・錦富士
となり、

十両が
1敗 北青鵬
2敗 栃武蔵
3敗 熱海富士・輝・美ノ海
となっている。