優勝絶対候補・朝乃山を1差で追う、東5枚目の野心・10日目

 十両の優勝争いは、6場所ぶりに関取復帰した元大関・朝乃山が全勝で独走してる中、ピタリと1差で追う力士がいる。

東5枚目 金峰山(木瀬) カザフスタン出身

三段目付出でデビュー、力士在位8場所目となる今場所、この金峰山が見せる突き押しと四つ相撲の「二刀流」が冴えわたっている。今場所のここまでを振り返りたい。

基本的に突き押し相撲だが突っ張りの腕の伸びが良く、これで相手を後退させる。さらに腰もきちんと落ちているから、圧力が伝わり相手の反撃を食いにくい(偉そうですみません)

突き押しの巻

四つ相撲の巻

https://www.youtube.com/watch?v=cSzTh5xaxho

2日目の大翔鵬とは、(初日と)打って変わって、立ち合い左に変化しながらの左上手を取り、がっちりと引きつけながら寄り切り、堂々と四つ相撲で渡り合った。

ここまで唯一の黒星、4日目の北青鵬(宮城野)戦は、こちらも左上手からの四つ相撲。
1分40秒(ぐらい)にも及ぶ持久戦にも耐えた。

総論

本人のWikipediaにもあるように、「右四つでも左四でも。つっぱりでも」と話す万能型。

あの朝青龍の紹介で日本にやってきたというから、ただ者ではない。

優勝絶対候補の朝乃山の牙城を崩すべく、明日からの終盤戦に牙を剥く。

元気ハツラツ!今場所も翔猿劇場・9日目

 令和5年初場所は9日目を迎えた。
幕内はここまで全勝がなく、8日目まで1敗で貴景勝と琴勝峰がトップで並走しており、今場所もここまで図抜けた存在がいない。なので、今日は嗜好を変えようと思う。

元気ハツラツのイケメン力士、翔猿の9日目までにスポットを当てようと思う。
東前頭筆頭で迎えた今場所、昨日まで全員三役との対戦。勝っても負けても、場内を沸かす人気者である。今日に至るまでをプレイバック。

初日は関脇・豊昇龍に寄り切りで敗れる(1秒6)
2日目・大関貴景勝戦はクセ者をぶり発揮し、はたき込みで勝利する。

闘牛士のようにひらりひらりと貴景勝の猛進をかわし、大関戦勝利!
取組直後のインタビューも秀逸であった。

5日目・霧馬山戦は、まともにいくかと思いきや、右に変化で突き落とし。
何が言いたいかって、翔猿の変化の速さ、まんまと術中にはまってしまった霧馬山の西方に走り去っていくさまの速いこと速いこと(◎_◎;)

8日目・琴ノ若戦では、足技を繰り出す。
左差しの翔猿、小手投げで崩しにかかる琴ノ若。これがすっぽ抜けて、翔猿くるりと回る。
互いの動きを牽制しあう中、翔猿の右足が琴ノ若の右足を襲い、蹴返しで勝利!場内大歓声に包まれた。

174cm・130kgは、いつも懸命で必死である。
多彩な技とスピードでファンを魅了してくれる。
加えてインタビューのやり取りが絶品である(高速)

今場所もまだ6日ある。
一瞬たりとも目の離せないスピード相撲をもっと見せてくれ。

大関・貴景勝が引っ張る初場所・8日目

 令和5年初場所、中日8日目。
星の潰し合い続く。1敗から2敗へと後退した力士もいた模様。
今日も独自の視点でお伝えいたします。

1敗力士の一人、大関・貴景勝は激しい突っ張りや張り手、頭からの立ち合いなどを受け、口や鼻から流血が見られる日が多く見られるが、横綱不在の最上位で連日奮闘している。
今日の対戦相手は、2日連続の伊勢ヶ濱部屋からの刺客、錦富士。
激しいあたりを交えながら、突き押す、突き放す、貴景勝。いなす隙をついて、錦富士逆襲。土俵際まで追い詰めるも、貴景勝のはたき込みが決まり、1敗守る。

関脇・豊昇龍は、前頭4枚目佐田の海との一番。
立ち合い右に変わり上手を取り、ヒョイとばかりに佐田の海を送り倒し。1秒6。

大関復帰へ向け、もう後がない正代。今日は若元春を相手に決死の対決。
一気の寄り、勝負を決めにかかる正代。決められず小手に振ったところを寄り切られた。
腰も伸びきってるというか、あまり入っておらず、力が伝わってない感じだった。
6敗目となり、大関復帰は幻となった。

翔猿相撲、今日も慌ただしい。
小結四天王の一角、琴ノ若との一番。
左差しの翔猿、小手投げで崩しにかかる琴ノ若。これがすっぽ抜けて、翔猿くるりと回る。
互いの動きを牽制しあう中、翔猿の右足が琴ノ若の右足を襲い、蹴返しで勝利!場内大歓声に包まれた。

幕内1敗は、貴景勝と琴勝峰。中日終わって、折り返し。ここからが勝負だ。

~これより十両~

ここまで、7戦全勝と無人の荒野を行く、元大関・朝乃山。
給金相撲となった今日の対戦相手は武隈部屋・豪ノ山。
この一番は動画で。

豪ノ山、朝乃山に十分抵抗して盛り上げてくれたが、小手投げに屈した。でも今後に期待!
朝乃山、8連勝として明日は北の若。

朝乃山を追う1敗の金峰山、立ち合いから大奄美に押し込まれるも慌てる様子がない。
大奄美の脇の辺りをはず押しで突き落とした。落ち着き払い、堂々としているさまがいい。

8日目終わった今日も、十両は2強で推移している。

翠富士、敗れるも果敢に大関に挑んだ敢闘精神・7日目

 初場所は7日目を迎えた。
昨日の時点で早くも全勝がいなくなり、混戦の様相を呈してきた。
また、元関脇隠岐の海の引退が発表された。
悲喜こもごもの7日目をレポートする。

優勝争いのキーマンとも言える2人の対戦、阿炎‐豊昇龍から。
もろ手突きのど輪で一気に勝負を決めにかかる阿炎の右をタイミングよくたぐり、瞬時に形勢逆転した豊昇龍が寄り切りで勝利!連敗を2で脱出して、8日目は佐田の海との一戦を控える。

連日館内を沸かせている一人、翠富士は大関貴景勝への挑戦だ。
大関、迫力ある突き押しで優位に立つが、翠富士も張り手で応戦。
両者張り手の応酬のあと、がむしゃらに前に出る翠富士を、やや強引気味の小手投げが決まり1敗守る。(いい意味での)闘志がむき出しになった、熱い一番だった。

大関復帰を目指す正代、苦しい状況が続く中での7日目の対戦相手は玉鷲。
いいところなく突き出しで敗れた。残す足、意志もない。(5敗目で)後がない。
右足痛い説もあるようだが、実際のところは…。明日は若元春。

琴ノ若は、若元春を一気に寄り切り(電車道)で復調ぎみの3連勝。

若隆景‐錦富士、若隆景スピード決着を狙うも錦富士のはたき込みにバッタリ。
結果論になるが、攻め急ぎがあだとなったか。錦富士には余裕があった。

~これより十両~

今日の朝乃山、西11枚目の島津海との対戦。
朝乃山の左上手早い。引きつけの圧力強く、最後はすくい投げで朝乃山7連勝。

昨日(6日目)、朝乃山を大いに苦しめた狼雅。千代の国との一番。
前回し、いいところを取ったが、千代の国が(自身の)体を引く感じのはたき込みが決まり、2敗目。

ジワジワと星を伸ばしている東5枚目の金峰山は北の若戦。
突っ張り突っ張り、腕を伸ばして、腰を落として、突き出して6勝目を飾った。

全勝の朝乃山に、金峰山が1敗で追う展開だ。

貴景勝、大関の意地見せた!全勝消える・6日目

大相撲初場所は、序盤の5日が過ぎて、中盤に入り6日目を迎えた。
ダイジェストにいく前に、今日も2力士の休場が発表された。
関脇髙安と西12枚目の隠岐の海である。
髙安はやはり万全ではなかったか。

結びの一番で、5連勝と突っ走る阿炎に、横綱不在の最上位を守る大関・貴景勝の一番。
阿炎ののど輪をいなし、気迫のこもった突き押しで阿炎を押し出し、全勝から引きずり落した。阿炎の明日は豊昇龍、貴景勝は翠富士。いずれも好取組が組まれた。


関脇・豊昇龍は、翠富士と。
先場所11勝の豊昇龍、大関取りへ向け、足場を強固にしたい今場所である。
もろ差しとなる翠富士、極めて出る豊昇龍、こらえる翠富士。
右の下手ねじ込む豊、許さない翠。寄って勝負に出る豊昇龍を逆転の突き落とし翠富士。
物言いつくも、軍配通りで翠富士の勝ち。豊昇龍は連敗。

今日のNHKは、きょうはとことん行司デーと題して中継していた。
伊之助の裁きは「軍配通り」で決着。立行司の威信を守った、あっぱれ!

関取に陥落、大関復帰の目途となる2ケタ・10勝に乗せたい正代は、猿のごとく速い動きでかき回したい翔猿戦。
立ち合い、突き押しから右に左に動く翔猿。正代も動じることなく(翔猿を)よく見て押し出し。

霧馬山‐大栄翔は、大栄翔の激しい突き押しで押し出し。
連日、上位相手に臆することなく繰り出される突っ張りは、迫力満点である。

先場所10勝を上げ、更なる活躍が期待される王鵬は元気なく6連敗。
向正面解説の春日山親方(元・勢、6月4日引退相撲)も、精彩のなさを心配していた、俺も心配している。

~これより十両~

注目の全勝対決、狼雅に朝乃山。
朝乃山左上手から寄る、狼雅に切られながらも寄る。逆に上手を取られながらも寄る。
引きつけて寄って出る狼雅の上手切れる。引き直すも1枚廻し。威力が弱くなったところを、朝乃山寄り切って全勝守る。1分近くの大相撲。
一方敗れた狼雅は、今場所の好調ぶりを裏付けるかのようなに、元大関に対して大善戦。今後も楽しみな存在だ。
激励の意味を込めて、狼雅の画像と動画を貼り付けた。

熱海富士は大奄美にじっくりと勝機を伺いながら、我慢の相撲で白星を掴んだ。
炎鵬は金峰山の突っ張りを浴びながらも、右をたぐったが、フレーム違いの圧力に、突き倒しで屈した。2敗に後退。

番外編となるが、東幕下筆頭の玉正鳳(玉鷲の義弟)が十両最初の一番に登場。
白鷹山に送り出して勝ち、3勝1敗とし、悲願の十両昇進へリーチをかけた。
こちらも頑張れ、玉正鳳!